[風雲急メモ]「対立」は誰かによって作られる

少なくとも近代以降に起こった戦争や国家間の対立は誰かによって作られている。対立を煽ることをビジネスにしている一群の勢力がいることに注意が必要です。


人力でGOさんの記事より。


●”誰得(だれトク)”の国際関係論・・・戦争の原因としての経済
http://green.ap.teacup.com/pekepon/1109.html

 

■ 右傾化する日本 ■

議員達の靖国参拝など、明らかに中国や韓国、そして北朝鮮への挑発が続いています。

しかし、民主党政権発足当時は、大議員団を率いて小沢氏が訪中するなど、日中関係はそれ程悪くなかったのですが、短期間で随分と変化したものです。

ネットを覗くと、2チャンネルは元より、結構良識的な方々のブログも反中、反韓のカラーが強くなりました。
まあ、相手も傍若無人に振舞っているので、当然ではありますが・・・。


■ 作られた対立 ■

尖閣問題に関しては、危機は完全に作られています。

1) 前原前国交大臣が中国漁船の船長の逮捕を指示して中国を怒らせる
2) ヘリテージ財団石原慎太郎に「尖閣買取」を発表させ中国を激怒させる
3) 野田政権が尖閣を国有化して、中国人の怒髪天を突く

これらは、日本が尖閣諸島を実効支配しているので日本側から仕掛けたケンカです。
一方、竹島は、韓国が実効支配しているので、仕掛けは韓国側から行なっています「。

1)李 明博大統領が竹島上陸パフォーマンスを断行して日本人が激怒する
2)李 明博大統領が天皇の謝罪発言をして日本人の怒髪天を突く

さらに北朝鮮は、ワンマンショーで危機を煽っています。

1) 米韓軍事演習に過剰に反応して、停戦協定を一方的に破棄
2) ミサイル発射パフォーマンスでマスコミの注目を集めて調子に乗る

■ 誰得の国際関係論 ■

国際関係が大きく変化する時、誰が得をするかを見極めれば原因がうっすらと見えてきます。
東アジアの緊張の高まりによって、一番得をするのはアメリカです。

1) 高額なミサイル防衛システムが売れる
2) 中国主導の東アジア経済圏構想への日本の参加を牽制し、TPPを推進する
3) 韓国の対中接近を阻止する

■ 政治や経済の道具となる戦争 ■

イギリスのフォークランド戦争(紛争)は、サッチャー首相の経済政策でした。
当時、労働者の組合に手を焼いていたサッチャーは、
フォークランド戦争により国民の求心力を獲得しました。

高い支持率によって、サッチャーは経済システムの改革を断行します。
イギリスの復活は、半ば強引な手段で実現されました。

■ 経済の失敗を誤魔化す為の戦争 ■

私は現在の世界経済は金融緩和バブルだと考えています。
リーマンショックから5年が経過しようとする現在、
緩和マネーは実体経済を回復させる事無く、
アメリカや日本で資産バブルを形成しています。

このバブルが弾けた時、世界を未曾有の金融危機が襲うはずで。

既に財政赤字を大きく膨らめている各国政府は
国債暴落という事態に見舞われるかも知れません。

それこそドル機軸体制の崩壊が現実味を帯びる事があれば、
世界は躊躇無く戦争という「消しゴム」を発動させます。

この「消しゴム」が消し去るのは金融危機の責任と、
経済運営や量的緩和の失敗の責任です。

■ 中東と東アジアがヤバイ? ■

もし戦争が発生するとすれば、中東と東アジアでしょう。

中東の戦争は、米軍の中東からの撤退セレモニーになるかも知れません。
当然、米軍は大規模な戦力を投入するはずですが、
財政の悪化によって、戦争継続に支障をきたし、中東から撤退するでしょう。

一方、東アジアの戦争は「尖閣紛争」という形を取るか、
あるいは「朝鮮戦争」という形を取りそうです。

尖閣紛争」が発生しても、中国もアメリカも核保有国なので正面からの戦闘は避けるでしょう。

多分、戦闘は尖閣周辺海域での局地戦となり、
自衛隊と中国軍の間で戦闘が発生するでしょう。
憲法9条があるので、先に手を出すのは中国で、
自衛隊はあくまでも専守防衛のタテマエは崩しません。

アメリカは自衛隊の後方で睨みを利かせ
戦闘は早期に小康状態にるでしょう。
一方、国連による停戦勧告を早期に日中が受け入れ、
尖閣から中国軍は一端手を引くでしょう。

尖閣は日本の実効支配のままで、永遠に中国の脅威にさらされます。
尖閣の日本の実効支配は、日中関係の永遠のトゲとして残されます。

■ 近くの国同志をいがみ合わせる戦略 ■

隣接した国家間は、歴史的確執もあっていがみ合う事が多い様です。
一方、遠い国同士は比較的友好関係を結びやすい。

イギリスは、植民地撤退に際してわざと紛争が起きる国境線を引いています。
近くの国同志をいがみ合わせる事で、その国に政治的影響力を残すのです。

この政策はイギリスからアメリカへと受けつがれます。
■ 戦争は最後の手段 ■

古来戦争は国同士の利害の調整の最後の手段です。
通常の利害の対立は、外交交渉によって解消されます。

戦争とは、「外交の敗北」を意味します。

■ 誰得か考えれば、少し頭の血も下がる ■

中国や韓国を口撃しようとする時、
ほくそ笑むアメリカの顔を思い浮かべて下さい。

少しは頭の血も下がるかも知れません。