内観法(大山真弘)

お母さんにしてもらったことは何ですか?

お母さんにしてもらったことは何ですか?



今朝4時台のNHKラジオ深夜便「明日へのことば」は内観法の話だった。


明日へのことば 3月20日(水曜) 午前4時台
「母の恩に報いてきましたか?」
出演:大山真弘(僧侶)
 長い人生の間に、人は何度も「なぜ生きるのか?」という疑問にぶつかる。そんななかで注目されているのが、”内観”という自己探求法だ。
 30代後半で出家した大山さんは、”母親”を対象にした問いかけで自問自答するという内観の方法を編み出した。大山さんに、内観と出会ってから人生について聞く。


大山真弘さんの話がこころに沁みました。大山さんは熊本県玉名市の蓮華院誕生寺の僧侶。



内観法は心の温泉。一週間で心がぽかぽかと裕福になるようです。

心の悩みを抱えた人、心の病気の人も軽くなるか治ってしまうらしい。うつ病の人は抗鬱剤を飲む前に内観法にチャレンジするのもいいかも。

もともと日本仏教の修行法が起源ですが、吉本伊信という人が宗教色をなくして心理療法として確立し1960年代には精神医療の現場にも導入されるようになり、国際的にも注目されている。
大山真弘さんの内観研修所では、一週間の日程で朝6時から夜9時まで仕切られた空間の中で一日中内観を行う。途中1時間から2時間ごとに内観で思い出したことを先生に話す。それに対して先生は単に共感的態度でそれを聞きとるだけ。一日3度の食事はしっかりとり、お風呂にも入る。

これを一週間続けると、心が劇的に変わっていくらしい。


たまたま見つけたこの方のブログ↓に蓮華院誕生寺での内観法体験がアップされていました。(部分転載させていただきます。深謝。)
http://blog.kabukinokaori.com/archives/51293719.html

Before & Afterなどという目に見える成果を期待されると困るのです。集中内観は導入にすぎず、今後は日常生活の中での日常内観によって自分と周りとの関係性について意識する訓練をしていくことで、何らかのさらに深い悟りに至るものと思います。

7日間、ひたすら、
・相手からしていただいたこと
・相手にして返したこと
・相手に迷惑をかけたこと

という3つの問いを、母、父、弟、恩師、HSPJ(カブキのカオリなどの主催者)などの対象について、(心の中で)調べる期間を適宜区切って、具体的なイベントを想起することを、朝7時から夜9時まで1日14時間、ひたすら繰り返していました。

真言宗の教義とかについては不勉強であまり理解していなかったのですが、とにかくすなおに毎朝6時に般若心経を唱え、掃除をし、食事に感謝し、ひたすら夜9時まで心の中を見つめなおしていました。

一日中じっとしているのはたしかにつらかったのですが、その分、3食の食事と夕方の風呂が本当にありがたいと思ったんですよ!

印象的だった指導の一つは、内観の対象は人でなくても、身近な「もの」でもよいということでした。目、胃、手、足、メガネ、靴、空気、水など、普段お世話になっているものならば何でも内観の対象になる。つまり、「関係性」の中で生きているということを「事実」として素直な気持ちで認めることが目的なのかな、と理解しました。その事実を認めることでどのような感情が沸き起こるのかは自分次第。でも少なくとも、お世話になっているということを事実として認めれば、人に対しても「もの」に対しても疎かにすることはできない、と思わずにはいられない。環境問題、健康問題にも直結するアプローチですね。

人は悩んだりすると、ついつい自分の視点だけにとらわれすぎて、事実を曲げてみることがままあって、「事実」が見えなくなることがある。必要以上に悲観的になって落胆したり、必要以上に自己防衛に走って憤ったりハッタリをかましてみたり……。

それでも、そのような心境に陥ってしまったとしても、何らかの形で視点を変えれば、まだ別の対処法もあるんじゃないか、ということに気づくこともできる。周りとの関係性に思いを馳せることも、視点を変える一つの方法かもしれないと考えました。ふゆさんから以前伺ったお話の中で、オーストラリアが上に来ている世界地図の存在を知りました。富山県のどこかの市が中心になっている鳥瞰図のお話も。

自分の世界ももちろん大事(一番大事!)ですが、自分を形づけている周りの世界もまた自分の世界であり、また周りの世界から見れば自分の世界も周りの世界の一部を構成している、ということになる。そういう大きな関係性を意識できたらどんなにいいことか(実際には大変そうだけれど)。

「命というものは、自分のものであって、自分だけのものではないんです」という、金八先生第2シリーズ第22話「 父の死と高校進学」での金八先生のお説教を思い出しました。



【参考】
●『お母さんにしてもらったことは何ですか?』大山真弘著

「お母さんにしてもらったことは何ですか?」
 たとえば母親が遠足の日に作ってくれた弁当、受験の前にかけてくれた言葉、新生活への金銭的な支援…。母親の気持ちはどうだったのか? 母親ばかりではない。父親や親戚(しんせき)、先生、職場の上司ら、他者にしてもらったこと、お返ししたこと、迷惑をかけたことを思い返し、その時の相手の気持ちを考え、自分自身を見つめ直してみよう。
 体験談によれば、3つの問いかけを繰り返すことで、それまでしてもらって当然と思っていたことが、実は、貴重な恩恵だったと気がつき、どう生きていくかへのヒントが得られるという。自分の恥ずかしい、つらい過去を思い返すのは修行のような面もあるが、何かに行き詰まったら、一度試してみよう。(サンマーク出版・1575円)

●蓮華院誕生寺のサイト
http://www.uproad.ne.jp/rengein/



●にこにこ和尚のブログ
http://ameblo.jp/nikonikooshou/page-3.html



●新・國分康孝談話室第17回「?内観法」110210
https://www.youtube.com/watch?v=NQxLZku8tjU

今から32年前、16歳の時に家族で内観をした経験があります。 内観前と内観後では、世界観が全く変わりました。 たった16年間の人生の中にこんなにも数え切れないほどの教訓が詰まっていたのかと、 ただただ驚くばかりでした。 何のお説教も必要ありません。 たった3つの事実を生まれた時から思い出すことで、 そのときそのときの自分が本当はどうすることが自分らしいことで-あるのかを、 自分自身のあたたかい心が自ずと教えてくれるのです。 最後には、感謝の心で涙が溢れ、内観を終えました。 1週間の間、外界との接触を絶つことで、この世界がどんなに広く、美しく、 色彩に溢れた、自由なところであるのかが実感でき、 これから先、自分が何をしたらいいのかが自力でわかってしまいま¬した。 内観法は素晴らしいものであり、さらに応用を加えれば、 無限の広がりを持つものです。 僕からも、出来れば、特に10代の若者たちにお薦めしたいですね¬。 自分の人生の答えは自分の中に発見してこそ、 大きな喜びと自信を伴うことでしょう。


これ↓はロナルド君の楽しい内観体験ビデオ。
●Aprendiendo Meditacion con Monjes Budistas – Ronaldo
http://www.youtube.com/watch?v=rcSSvrsqGJg


●内観法(吉本伊信著)

内観法

内観法

(内容紹介)
わずか一週間で人間は劇的に変わる----。不安、嫌悪、恨み、暴力、破壊......。解決の糸口は内観にあった!
古くから日本に伝わる宗教的修行法に改良を加え、宗教色を払拭した、独自の心理療法・自己変革法を確立した著者の「自伝的」内観入門書。

 かつて「内観四十年」の題で出版された内観法創始者・吉本伊信の半生記の復刻。書家、実業家、宗教家、教戒師といくつもの顔を持つ魅力的な人物である。
 内観法はもとは浄土真宗の特殊な一派に伝わっていた「身調べ」という自己反省法であったが、吉本は師の駒谷諦信とともに万人向けの求道法「内観」に改良し、矯正教育、心理療法として世界的に活用されるに至った。
 ただ、うらむらくは本書は筆者40代の時の半生記であり、「していただいたこと」「して返したこと」「迷惑かけたこと」という、いわゆる内観三項目が確立し、本格的に心理臨床に応用され始める前に書かれたものであることである。
 第三者による、客観的かつ包括的な伝記の出版が待たれる。

内観療法Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E8%A6%B3%E7%99%82%E6%B3%95