小沢一郎街頭演説(全文文字起こし)

小沢一郎街頭演説がいまネット界で話題になっている。

12月10日(月)に東京都墨田区の押上(スカイツリー前)駅前で行われた日本未来の党 小沢一郎氏の街頭演説。有権者の前での初めての街頭演説。今回の選挙の重要な要点が簡潔にわかりやすくまとめられている。

特に、自民党が政権を取れば、民主と維新も野合して大政翼賛会的軍事政権ができるという趣旨の発言に注意したい。

いまのマスゴミの報道をみていると、我々の子供たちや孫の世代が極東戦争に巻き込まれ、アジア人同士で殺し合うような事態がこれから現実化していくのではないかという恐怖を感じる。


http://iwj.co.jp/wj/open/archives/44204
日本未来の党 小沢一郎氏 街頭演説(東京14区)

2012年12月10日(月)、東京都墨田区の押上(スカイツリー前)駅前で、日本未来の党 小沢一郎氏の街頭演説が行われた。有権者の前での初めての街頭演説となり、集まった聴衆を前に日本未来の党への支持を呼びかけた。

【以下、全文書き起こし】
小沢一郎「みなさん、こんにちは。お寒いところ、お忙しいところにも関わりませず、街頭に足を止めていただきまして、本当にありがとうございます。わたくしは未来の党小沢一郎でございます。未来の党と申しますと、みなさんには聞き慣れない方も多いかもしれません。
 しかしながら、この未来の党も我々が従来から言っておりました『国民の生活が第一、政治の目的は国民の命と暮らしを守ることだ』と、そういう考え方はみんなが共有して持っている政党であります。
 ただ、総選挙にあたりまして、やはり同じ気持ちを持った人たちが手を携えて、そして国民みなさんに訴えようと。それが良いんじゃないか。それならば、現在の国民の暮らしだけではなくて、未来の子どもたちの、孫たちの暮らしもしっかりと守っていける、そういう集団になろうと。こういうことで、未来の党と名を付けたわけであります。
 どうか、みなさまにおかれましても、この未来の党のために、わたくしどもにご支援を賜りますよう、そして、この選挙区では、木村たけつかくん。一生懸命、がんばっております。みなさんのお力で、前回の選挙で国会に送っていただきました。どうか、今回の選挙も大変むずかしい選挙ですけども、みなさんのご支援をいただいて、国会にお送りくださいますよう、まず心からお願いを申しあげます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 さて、わたくしは政権与党である民主党を離党いたしまして、今日こうして街頭でみなさまにお願いをいたしております。それはなぜか。そのことについて2つ、大きな問題点があります。それを申しあげたいと思います。
 3年前の8月の総選挙のときに、わたくしたちは、今の日本の社会の色々な格差、あるいは色んな矛盾、それは雇用の問題もあれば、所得の問題もあれば、あるいは産業間の問題、色々あるこの矛盾を、自民党政権下の中で出来たこの矛盾を解決するためには、政権を変えて、わたくしたち任せてください。そう言いました。
 しかしながら、この政権を担って以来、わたくしがいわゆる古い体制の中の既得権を持っている人たちから、国家権力を利用して、色々と攻撃を受け続けてきてまいりました。その間に、わたくしの力及ばずして、民主党はどんどん、どんどん、本来の民主党の政策から離れていってしまいました。
 わたくしどもは、本当にこの国の仕組みを、行政を、政治を根本的に変えて、そこから新しい政策を作り上げていくんだ。それによって、国民の暮らしを守るんだ。こう言ったはずであります。それが、このような結果になってまいりました。しかも、最後に出てきたのは、消費税の増税、大増税であります。
 我々はなんと言ったか。まずは大改革して、財源を生み出すんだ。そう言いました。野田さんは、そのとき何と言ったか覚えておいででしょうか。国民の税金に群がるシロアリどもいっぱいいる。そのシロアリをまず退治して、無駄を徹底的に省くことだ。そう演説して歩いたのであります。
 ところが、野田政権になってますます、シロアリは増殖いたしまして、そしてなんら改革も手につかないままに出てきたのが、消費税の大増税であります。私たちとしては、これはもう、本当に国民に対する裏切りだ、背信行為だ、これを飲むわけにはいかない。了解するわけにはいかない。そういう思いで民主党政権と決別をいたしたわけであります。我々は、そういう意味において、わたくしたちが本当に国民の皆様に約束した、国民のみなさんの命と暮らしを守る。その原点に立ち返って、そして、なんとしても、一歩でもこの政策を進めたい。そういう思いで、この選挙戦に臨んでいるわけであります。
 暮らしの問題、そして命の問題。この原発、政府の話では、いわゆる大本営発表的な話では、収束して、安定したと言ってますが、とんでもありません。いまなお、毎日毎日、たいへんな放射能が空気中にまき散らされております。これを徹底的に、放射能を封じこめませんと、日本の将来はありません。そういう意味において、私どもは、原発はもう止めようと。そして新しい公害のないエネルギーに変えようと。こう言っているわけであります。
 わたくしたちがこう言いますと、そんなこと言ったって、そんな無責任なこと言うなとか、原発をとめたら、日本の産業はまったくダメになってしまうだとか、色んなことを言う人がいます。
 しかし、みなさん、ちょっと考えてみてください。今年の夏は、記録的な猛暑でした。しかしながら、東京電力原発は一基も動いていませんでしたけれども、なんら電力不足は起きませんでした。そうでしょ。
 その他の地域でもそうであります。従いまして、みなさんが考えていただければお分かりの通り、日本には電力を供給する十分な能力がある。ですから、技術の開発によって、ガスコンバインド。わたしは技術者じゃないから分かりませんが、ガスコンバインド方式なるものは新しい火力といたしまして、CO2の排出も少ないし、原発に追いつくだけの熱効率の良さも持っていると。こんな技術がいろいろ開発されている。
 それにもかかわらず、これが各電力会社で急速に転換ができないでいるのは、いわゆる原子力マフィアと呼ばれる原子力によって利益を得ている人たちの力が大きすぎるから。これは、本当に、わたくしはドイツにも行きましたが、ドイツは福島の原発事故で、原発10年後に止めると決定したんです。全政党、業界も、労働組合も、ぜんぶ賛成して止めることにいたしました。今年から言えば9年後にドイツは止めます。そして、新しい再生可能エネルギーに政府のお金を注ぎまして、今では、個人の皆さん太陽光、ソーラーとか、あるいは農家ではバイオとか、みんな個人個人が電気を作ってそれを売る。政府は支援して、それを高く買うというようなことで、4分の1はそういった新しいエネルギーで電力を保持する。ドイツでできることが日本でできないわけはない。ましてやドイツよりはるかに、そういった、今言った技術が進んでるんです。ですから、こういうことで、わたくしどもは、原発ゼロ、命を守る、そして暮らしを守る。このことを主張いたしておるわけであります。どうかみなさんにおかれましても、このことを本当のただ単なる絵空事ではないんだ、選挙目当ての話ではないんだということを、とくとお考えいただきまして、ご支援を賜りますようお願いを申しあげます。
 それから、もう一つの理由は、本当にお寒いところ申し訳ありませんが、もう一つだけ、申しあげさせていただきますと、今のマスメディアなどの報道によると、自民党が多数を取るだろうと言われております。そして、その状況の中で、第三極の、大改革をすると主張していた第三極も、選挙が終わったら自民党と連携すると言ってます。それから、民主党も、自民党じゃダメだと言った民主党が、やっぱり選挙が終わったら、負けを予測しているんでしょうか。分かりませんけれども、やはり自民党と連携すると、こう言っております。
 いったいみなさん、これはどういうことでしょう。筋道も何もない。そして、しかも、全体で大きな多数を形成して、そして勝手な政治をやられたんじゃ、本当に日本の将来は真っ暗闇であります。わたくしどもはそういう意味で、国民が何を、本当に何を思っているのか。そして、国民の良識を、やはり国会の場で、政治の場で訴えていかなきゃならない。そういう政治勢力がなければならないということを、この選挙戦を通じても、申しあげておるわけであります。
 しかも、いま言った自民党中心の大連合と言いますか、なんと言いますか、その政権は非常に危なっかしい。とくに、俗な言い方をすれば、かなり右寄りの政権になることとなります。もちろん、わたくしは、日本人は自立しろ、日本の国は自立しなければいかんということを言ってますし、ナショナリズムを悪いと言っているわけではありません。
 日本の故郷を愛し、国土を愛し、国を愛すということは当然のことです。しかしながら、一国の政治を扱う政権が、軽率に『核武装しなきゃいかん』とか『他の国はけしからんからやっつけろ』とかいうようなことを言って、本当に国民のみなさんの命と暮らしを守れるんでしょうか。
 わたしは、そのことに非常に危険を感じております。どうか、みなさん、その意味において、今ここで自公を中心とした大政翼賛会的な政権ができたら、本当に日本の将来はたいへんなことになってしまいます。わたくしたちは、なんとしてもこの総選挙で以ってして、一定の支持をいただいて、そして国会で、政治の下で、我々はみなさんの声を代表してがんばりたい。そのように考えておるところでございます。
 この選挙区では、木村たけつかくん。本当にナイスガイです。本当にまじめで良い男です。どうかみなさんのお力で、この厳しい選挙戦を、もう一度超えて、そして国会にふたたび送っていただきますよう、重ねて、心からお願いしてご挨拶といたします。どうも有り難うございました。お寒いところ、本当にすいません。ありがとうございました」
【文字起こし:IWJテキストスタッフ・@sekilalazowie】