検証(112)米軍による人工地震兵器の証拠ビラ

RKブログの記事が興味深い。

太平洋戦争の終戦直前に米軍が日本に投下したビラに原爆による誘発地震攻撃を示唆する記述があるようだ。

米軍は既に1944年頃には原爆による人工地震兵器を完成させていた可能性が極めて高くなった。

プロジェクトシール計画の公式文書とこの宣伝ビラ。

それから東南海大地震(1944年)の時の土屋さんが証言している米軍投下ビラ(地震の次は何をお見舞いしましょうか)。

311人工地震仮説の状況証拠が次々に・・・

もはや人工地震兵器は70年前から研究・実用化されている技術である可能性を否定することはできないのではないか。

三男坊の話によれば、ちょっと知的な中学生の間では、人工地震兵器についてフツーに会話をしているらしい。浜田和幸議員(現在、国民新党)も人工地震兵器を含む気象兵器の存在は国際政治の世界の常識であり、それを知らない人は世間知らずのバカだ、と国会で答弁している。

もう単なる陰謀論のレベルではないってことか。


問題の米軍ビラは↓の本に掲載されているらしい。

『宣伝謀略ビラで読む、日中・太平洋戦争―空を舞う紙の爆弾「伝単」図録』

宣伝謀略ビラで読む、日中・太平洋戦争―空を舞う紙の爆弾「伝単」図録

宣伝謀略ビラで読む、日中・太平洋戦争―空を舞う紙の爆弾「伝単」図録



この米軍ビラの文章は以下。

「一九二三年諸君の國に大損害を及ぼした 彼の大地震(←関東大震災のこと)を記憶しているか、米國はこれに千倍する 損害を生ぜせしめる地震をつくり得る。 かくの如き地震は二噸(トン)半乃至四噸(トン)の包みにして 持って来られる。 これらの包みはいづれも数年間をかけた苦心惨憺の 賜物を二、三秒間内に破壊し得るのである。 米國地震を注目して、この威力が放たれた際に 大地の振動を感知せよ。諸君の家屋は崩壊し、 工場は消失し、諸君の家族は死滅するのである。 米國地震を注目せよ――諸君はそれが 発生する時を知るであらう。」


以下のように解釈できる可能性あり:

地震は、2トン半から4トンの原爆でおこせる。この原爆は、アメリカが数年間をかけた苦心惨憺の開発の上完成したものだが、これを2,3秒で起爆できる。」


単なる脅しである、という見解に対するリチャード・コシミズ氏の見解は以下。

東南海地震は、ただの自然の地震で、伝単ビラは自然の地震を利用した、ただの脅しにすぎない」という説が正しいか、正しくないか、という件で、わたしの見解を述べます。

(1) それなら、どうしてOSS文書で「地震をおこせる」といい、「地震をおこすという脅しの宣伝をいろいろなメディアでまく」といっていて、しかも、このことと合致する伝単ビラがほんとうに存在するのか?これはOSS文書がにせものではなく、伝単もほんものだからではないか?

(2) 原爆などの爆弾でも「地震をおこせない」なら、「起こせない」が「起こせるがごとくよそおっておどかす」と書いていないとつじつまがあわないし、起こせもしないものをおどかしてもむだだから、そういうバカバカしいことは実行しないだろう。
<引用終わり>



【メモ】OSSの公式文書メモ
当時の情報宣伝謀略機関であったOSS作成で、1990年代になって機密解除されてでてきた作戦計画書「Psychological Warfare Earthquake Plan 1945心理戦争地震計画1945」があります。この計画書自体は、推定1945年6月ごろの立案ですので、東南海地震よりもあとですが、「爆弾(原爆使用の可能性も明示)使用による人工の地震惹起によるパニック誘導」作戦を積極的にすすめるべき、と主張している点で、この文書よりも前からすでにその実行ははじまっていたと考えても、不自然とはいえません。

あらためて文書の一部を、英語・日本語翻訳対照で、下に示しますが、とくに青線と赤字に注意してください。

翻訳(11ページあたりから)

Impetus is greatly added to the already established scientific plausibility of triggering this earthquake potential by the recent revelation of the atomic bomb. With a manifoldly greater amount of destructive force in a single atomic bomb the plausibility of triggering the earthquake potential is brought further toward the realm of practically.

この地震の潜在力に引き金を引くということの科学的可能性については、最近原子爆弾ができたことで、さらに大きな推進力が加わった。わずか一個ではるかに大きい破壊力をもつ原爆の発明は、地震の潜在性に引き金を引く可能性に関し、実現可能性をさらに前にすすめた。

This also posed the possibility that the explosive force of an atomic bomb may set up, deep within the earthquake blocks, a seismic wave, the result of radio activity set loose. This may expedite the trigger hour, or by itself increase the external pressures forcing the blocks to make a sudden adjustment in an attempt to recover their equilibrium

このことはさらに、原子爆弾の破壊的威力で、断層帯の地下深くで地震をおこし、地震波や結果として放射能も放たれる可能性を増した。これが引き金を早めるか、あるいは爆破自身が圧力をかけ、地層間の均衡を回復するこころみとしてとつぜん調整をおこすかもしれない。

(12ページ)
On the basis of the scientific plausibility of triggering this earthquake potential by atomic and large scale intensified bombing lies the foundation for our psychological plan to combine, within the minds of the Japanese, the additional fear of earthquakes being caused by the radio-active destructiveness of the atomic bomb.

原子爆弾と大規模爆撃で地震の引き金をひくという科学的可能性をもとに、われわれはこれに心理計画を結びつけ、日本人の心に、原子爆弾放射能破壊力でおこした地震の恐怖を付け加える。


【参照】
●1944−45年の米国による対日人工地震攻撃:「米國地震を注目せよ」
http://richardkoshimizu.at.webry.info/201201/article_84.html

●原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見
http://richardkoshimizu.at.webry.info/201201/article_85.html

●人工地震検証(86)1944年の東南海地震は人工地震だったか
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20110812

●人工地震説の検証(30)質疑応答集
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20110511