生きもの豊かな自然耕(岩澤信夫)


もしも今度生まれかわったら、岩澤信夫さんの弟子になって百姓になりたい、と本気で思うほどこの本はすてきです。岩澤さんの3冊目の新刊。4冊目か。

岩澤信夫さんの本は、読むたびに新鮮な驚きと、希望がわいてくる。もう3回くらい読んだ。座右の書で、いつも枕元に置いてある。

この本は、以下のような人に読んで欲しい。

・農業、特に田んぼや水田稲作農法に興味がある人。
・農業にはまったく興味がない人。
・JAや国の稲作指導に疑問を感じている人。
・定年後は就農で一旗揚げたいと思っている人。
・農業こそこれからの世界を救う事業だ、と考えている人。
生物多様性に興味がある人。
福岡正信さんの不耕起自然農法が寒い地方の田んぼに適用するとどんな稲作農法になるのだろうか、と思っている人。
・循環型農法に興味がある人。
・おいしくて安全なお米を食べたいと思っている人。
・最近、水田に生物がいなくなったなあ、と思っている人。(メダカや赤トンボが激減している。)
・本物のビオトープに興味がある人。特に、大金をかけて作った学校ビオトープが全く機能していないことに不審を抱いている人。

この本のキーワードは生物多様性

不耕起移植栽培(田んぼを耕さない)と冬期湛水(稲刈り後の田んぼに水を張る)を組み合わせた水田こそ、生物多様性を永続的に確保するための最もすぐれた稲作農法であり、農薬と化学肥料がまったく不要になる農法なのです。これこそ究極の適正技術だと思う。

そして、不耕起・冬期湛水田んぼこそ本物のビオトープ(野生生物たちの楽園)。植物性プランクトン、動物性プランクトン、メダカ、ドジョウ、タニシなどの貝類、白鳥、マガン、コウノトリ・・・、岩澤信夫農法の田んぼにはありとあらゆる生物たちが集まってくる。そして、それは2000年の間大切に栽培され続けたイネというすぐれた作物とそれを育んできた田んぼのおかげ。岩澤信夫さんは、農薬も化学肥料も使わないで、イネの本来のすぐれた力を自然に生みだすような本物の田んぼのあり方を、何十年もかけて模索し続けた、その到達点がこれだ。

しかし、田んぼのイトミミズってすごいんですね。

赤トンボの99%は田んぼから生まれてくるとは、知らなかった。その赤トンボが激減しているという。原因は・・・・。

生きもの豊かな自然耕

生きもの豊かな自然耕