振動力発電(速水浩平)

「振動力発電」のすべて

「振動力発電」のすべて

 すごい人がいる。
 速水浩平さんは慶応大学の学生時代にこの振動力発電装置を発明した。音や振動を電気に変換する効率的な方法を開発した。圧電素子(ピエゾ素子)を使う。この圧電素子に共振膜を組み合わせて使うのがポイント。
 速水浩平さんは、1981年栃木県生まれ。慶応大学環境情報学部卒業、同大学院政策メディア研究科所属。2006年9月に株式会社音力発電を設立して起業。ビジネスコンテストでの表彰や新エネルギー賞など数々の賞を受賞。現在、スタッフ3名とともに音力・振動力発電の研究開発に取り組んでいる
 たのもしい。
 最初、大学内で発表したときは、みんなに「無理だからやめとけ」と言われて落ち込んだらしい。しかし、あきらめないで研究を続け、3つのブレークスルーを経て実用化のめどがついた。小学生のときに思いついたアイデアを大切にし続けた。
 「音から得られるエネルギーは小さいので実用化は無理」という従来の定説を覆した。 東京都内の首都高速道路にこの振動力発電装置をくまなく設置すると、火力発電所の2〜3基分の発電能力が期待できるという試算がある。23区内の家庭用電気の40〜50%をまかなえる。首都高速道路全体が発電所になる。
 TOKYOが発電都市になる!
 実際、首都高速道路の五色桜大橋に発電ユニットを設置して、橋のライトアップの電力にする実験が成功したらしい(2007年12月)。
 東京駅の自動改札機の通路に「発電床」を設置してSUICAのシステムの電力に利用する実証実験にも成功している(2008年1月〜3月)。
  ところで、この発電方法は、音や振動が発生するところならどこでもその場で電気を生み出すことができる。まさに地産地消の発電。
 この本を読んでいて思いついたことがある。
 ガソリン発電機の騒音をこの装置で電気に変換できるのではないか。発電機の防音ボックスにシート状の振動力発電装置を装着すると、騒音を電気に換えることができる。防音・制振効果と発電効果の一石二鳥。
 これは是非、すぐれた防音ボックスを研究開発されているEzawaさんにやってもらうしかない。Ezawaさん、お願いしまーす。