キャンピングカーに搭載する発電機の検討覚え書き。
マックレー社の上位機種(たとえばバレンシア)に標準装備される発電機「MACK−?(MN2800iSEX)」はきれいなサイン波で魅力的である。しかし、この発電機がどこの製品であるのかは不明。今度聞いてみよう。
2 キャンピングワークス社
発電機を床下に搭載しているビルダーはマックレー社の他にキャンピングワークス社がある。先日のお台場のお祭りで、このビルダーの「ディナモ(Dynamo)」という車を見せてもらった。ディナモはフランス語で発電の意味。
このディナモに搭載されていた発電機はDometic(T2500H)というものらしい。ドメティック社の発電機でスウェーデン製。これにキャンピングワークス社が開発した消音マフラー(SOUNDCUTER)を組み合わせたもの。
このディナモに標準装備されるスウェーデン製発電機Dometic(T2500H)は、発生する電気が疑似正弦波ゆえ電気の質から落第。しかも騒音の点でも不利。
ところがキャンピングワークス社は発電機が専門の会社。そして、実は、というか注目すべきことには、独自に開発した良好な発電機があるのである。
それは「キャンピングワークスG−STREAM2800i」という製品(本体価格648900円也)。2800とは2.8kWの定格出力のこと。
特許出願中らしいので公開公報が出ていたら調べてみよう。
以下、同社のホームページから拾い読みでこの発電機G−STREAM2800iの特徴を列記。
(1)キャンピングワークス社の上記発電機搭載のキャンピングカーは、走行中でも発電機を動かすことができるように設計されているらしい。これは重要だ。通常、ポータブル発電機を無理矢理に車載した車では走行中は発電機を動かしてはいけないと書かれている。これでは発電機の意味が半減してしまう。
キャンピングワークス社の発電機部門であるJP GENERATORSはこの問題をどのように解決したか?
その答えは、燃料ポンプの改良(ヤマハのバイク用のものを転用)とキャブレターの改良にあるらしい。
(2)発電機G−STREAM2800iはコンパクトである。
競合する2800kWクラスの発電機であるドメティック2500H(スウェーデン製)やオナンマイクロライト2800(米国製)に比べても一番コンパクト。本体サイズが、420×435×300mmで重さも一番軽い(44kg)。
なぜにコンパクトになったか。かさばるマフラー部分とインバーター部分を分離したからである。このようなセパレート化によって同時に防音性、断熱性および放熱性の問題をもクリアーしているのである。なるほど、すごい。調べれば調べるほど気に入った。
(3)発電機G−STREAM2800iのパーツは、エンジン本体からケーシングに至るまですべて純国産でキャンピングワークスの自社工場内ですべて組み立てられ出荷されている。
ケーシングには錆びにくく美しいステンレスパネルを使用。
そして各種性能試験については宇都宮大学との共同研究によりすべて実証済みとのこと。安心できます。
おそらく世界で最も信頼性のある発電機ではないでしょうか。
(4)出力電流の波形がきれい。この発電機が出力する電気は、きれいなサイン波で、一般家庭で使われている商業電気の100ボルトと同じ質の交流が供給される。
インバーター制御だから車内でパソコンなどの精密機器の電源にすることができる。これもありがたい。
(5)静音ないし防音設計が施されている。
これについては実際に音を聞いていないのでなんともいえないが、かなり静かであるということらしい。ということは、駐車場等でまわりに迷惑をかけることなく発電機を動かすことができるということなのだろうか。とても気になるところである。
この会社は、Gストリーム2800用のサイレントマフラー(その名もSOUND CUTER)を開発しており、この専用マフラーによって排気音が消音されるとのこと。ステンレス製で84000円也。
この発電機の本体をバゲッジルーム内に設置すればさらなる防音化が実現できるのではないかと素人ながら思うがどうだろうか。
とにかく発生音を限りなくゼロにすることが重要であり、日本の技術力でそれは可能ではないかと思う。
(6)効率のよい冷却通風設計により高い耐久性を実現している。
ベースとなったヤマハの2800iSEと比較して10℃〜15℃低くおさえ、エンジンの疲労を低減している。これもすぐれた改良設計。
(7)発電機の操作はすべて室内から行うことができる。
発電機の始動、停止、作動時間の管理をすべて室内のコントロールパネルで行うことができる。これも便利である。
(8)発電機の燃料であるガソリンは、車のガソリンタンクから供給できるので別に燃料タンクを設置する必要がない。スペース効率上有利。