車載発電機(その1)

 移動別荘としてのキャンピングカーにおいて、自家発電機能は必須だと思う。
 現代に生きる現世人類ホモサピエンスにとって快適な環境を形成するためには、トイレに次いで電気がどうしても必要だ。特に熟年あるいは老年夫婦が快適な移動別荘生活を送るためには。
 アウトドア派には邪道といわれても、インドア派にとっては100ボルトの電気は生命線。ライフラインである。
 そこで、現状のキャンピングカーで導入されている自家発電システムについて調べてみた。以下、備忘録メモ。

 先日、近所のキャンピングカー専門の販売店にいったとき発電機の搭載について聞いてみた。その販売店は業界でも大手。しかしこの会社のキャンピングカーは発電機の標準装備は行っていないとのこと。
 しかし、発電機を搭載するスペースは車体に用意されている、とのこと。
 しかしなぜかこの会社の最新の車種(キャブコン)は、ウインドエアコンを装備しているではないか。このエアコンの電源はいったいどこからとるのか?
 話を聞くと、どうも本来的に発電機はお薦めできないということらしい。この会社では、そもそもキャンピングカーはキャンピング場に停めて使用する車、という前提があるようだ。そして、エアコンを使用する場合は、キャンピング場で提供される100ボルト電源をご使用ください、ということらしい。
 さらにそのお店の人によれば、夏場にキャンピングカーを使用する場合は皆さん避暑地に行かれる筈だから、エアコンを使う場面はほとんどないでしょう、との説明。すなわち、エアコンは飾りのようなものか、限定された場所でのみ使用可能な設備、ということらしい。
 つまり、この業界の一般常識によれば、キャンピングカーはキャンピング場でのみ寝泊まりして使用される車であって、100ボルト電源が必要な場合はそのような施設のある場所に停めてご使用ください、ということらしい。
 さらに、発電機はとてもうるさいので(祭りの夜店の発電機の音を思い出せ)、本来的に人前で使われるべきものではない、というご意見らしい。
 ネットでいろいろ調べてみると、みなさんいろいろとご苦労されているようだ。
 キャンピングカーを購入後に発電機の必要性を痛感して導入されている方が多く、その場合は発電機の発生ノイズの問題に苦労されている。
 発電機を入れる防音ボックスの開発を精力的に研究されている方もいる(Ezawaさんというかたはすごい。本当にすごい方だ。メーカーがやらないのなら自分で開発するしかないとの姿勢で日々実験と試作を続けられている。)
 なぜ防音化対策が施された自家発電システムを搭載したキャンピングカーを開発しようとするビルダーが日本にほとんどいないのだろうか。
 日本には、ホンダ、ヤマハ、ヤンマーといったすぐれた発電機メーカがあり、静音タイプと称して、より騒音の少ない発電機も販売はされてはいる。しかし、キャンピングカーに搭載して、どこででもこれを駆動させてまわりから文句がでないレベルの防音化・静音化が図られた発電機はまだ開発されていないようだ。(車載用の低コスト燃料電池の開発を待つしかないか。)
 是非とも日本のメーカに、完全防音型のガソリン発電機の開発を期待したい。

 現在調べた範囲で自家発電装置を標準装備したキャンピングカーを提供している日本のビルダーは以下の3社のみ。

マックレー社
キャンピングワークス社
リーエキスポート社

1.マックレー社の自家発電システム
 マックレー社は、オール電化キャンピングカーを平成8年に開発・販売して12年間の日本で最長の歴史を誇る。渡辺社長自らの経験に基づく様々な目にみえない部分の装備が充実している。
 このビルダーのキャンピングカーには、防音型の床下発電機(2.8kW)が標準で搭載されている。これで灼熱の真夏でもルーフエアコンをギンギンに効かせることができるし、電子レンジも電磁調理器も冷蔵庫も温水器も不自由なく使用できる。そして電気焼却式トイレも。(ただし、冷蔵庫(90リットル)はサブバッテリーの12Vで駆動か。)
 この発電機は、OEM品(?)で「MACK−Ⅲ」という機種。この発電機が出力する電気は、きれいなサイン波で、一般家庭で使われている商業電気の100ボルトと同じ質の交流電気らしい。きれいなサイン波を出力するインバータ発電機。
 エコスロットル機能付きだから燃費もいいらしい。
 マックレー社が採用している発電機は、高品質であるとともに容量が大きいのでより静か(発電機は容量が大きくなるほど静かになる)。さらに発電機の本体はボックスに入っているので騒音は低減されているはず。
 発電機へのガソリン燃料の供給は車輌タンクからできるので、発電機のために別個のタンクを用意する必要がないのも魅力。
 走行しながら発電機を動かすことができるのもいい。
 さらに、マックレー社のすごいところは、室内からリモコンの操作で発電機の始動と停止が出来ること。そして、指定時間後に発電機を自動停止できる便利なシステムも装備している(タイマーオフシステム)。これはオプション。

 先日のお台場の展示会で撮影したマックレー社の床下発電機。
 実際に発電機から発生する音は確認できなかった。静かな場所でこのマックレー社の発電機の音を聞いてみたい。このボックスはどの程度の防音機能があるのだろうか。知りたい。