キャンピングカーにおけるトイレについて考えてみる。以下、調べた範囲での備忘録メモ。
トイレは人間にとって最も重要な文明の利器のひとつである、とつくづく思う。人間の排泄を補助する道具やシステムがないと、人間は即刻窮地に陥る。
現世人類とトイレの技術史については、それだけで1冊の厚い本になるくらい奥が深い蘊蓄が豊富。
蘊蓄(うんちく)という言葉はトイレのためにあるのでは(+_+;)\パコッ!
とにもかくにも、人間が移動しながら寝泊まりする移動別荘としてのキャンピングカーには、トイレは必須である。
トイレのないキャンピングカーはもはや拷問道具である。
車の内装やレイアウトよりもまずトイレが重要である。しかも、文化的・社会的類人猿であるホモサピエンスには他者から隔離された排泄空間が必要である。排泄道具としてのトイレとこれを外界から隔離するための閉空間、つまりトイレ室がどうしても必要。
通常のキャンピングカーに設置されるトイレには2種類あるようだ。
ポータブル式トイレとカセット式トイレ。
ポータブル式トイレは持ち運びが可能で、便座部分とタンク(12リットル程度)が分離できて、タンク部だけを車外へ持ち出して中身を捨てることができる。トイレ自体が固定されていないので随時撤去することができる。バンコンなどのスペースの小さな車に多い。いわゆる「車載用おまる」である。
カセット式トイレは、普通の家庭用洋式トイレとほぼ同じでトイレルームに固定設置される。下部の汚物タンクはカセット式になっており、この汚物タンクのみを車外から分離して持ち出して処理する。容量は20リットル程度。
では、たまった汚物の処理はどのようにするのか?
ポータブル式トイレ、カセット式トイレのいずれの場合も、汚物タンクをトイレ本体から取り外して一般のトイレに流す。あくまで手動なので、流すときに中身とご対面することになる。しかしこれは慣れの問題らしい。
用をたした後には、汚物の分解と消臭するための専用の薬品をタンクに入れる。これで臭いはほとんど出ないらしい。
上記二つの方式が主流であるが、いずれも汚物の処理が大変。
慣れの問題かもしれないが、水洗トイレのないところに長期間滞在するときはどうするのだろうか。
汚物を処理する薬品が切れた場合はどうすのか。
災害や緊急避難時のシェルターとしてキャンピングカーを活用したいときは、やはり窮地に陥るのではないか。
そこで、もっとエコロジー的に有効で手軽なトイレはないのだろうか、と思ってネット検索すると、ありました!
電気燃焼式トイレ。
株式会社ディラック(http://www.dirac-inc.co.jp/)という会社が販売しているインシナレットという製品。
このトイレは電源さえあれば、汚物を15分〜60分程度で焼却してスプーン1杯程度の無機質・無公害の灰にすることができる。畑に撒いて肥料にできる。
マックレー社のホームページを見ると、このビルダーのキャブコンタイプのキャンピングカーにはオプションで搭載できるらしい。すばらしい!
マックレー社の車がこの電気焼却式トイレを搭載できるのは、このビルダーのキャンピングカーは自家発電装置を標準装備しているからなのだ。
このトイレの本体の値段はかなり高いが、究極のすぐれものである。コストに見合うメリットがある。
残念ながらこの電気焼却式トイレは外国製である。汚水処理施設のない別荘やクルーザー、あるいは被災地の仮設トイレや災害の際の移動式トイレにも活用されているらしい。
日本のトイレットメーカーこそ、このような汚物処理が不要なトイレを開発してほしい。もっと低価格で機能的でコンパクトでウォシュレットも付いたものを。