ベルクソン(篠原資明)

ベルクソン―“あいだ”の哲学の視点から (岩波新書)

ベルクソン―“あいだ”の哲学の視点から (岩波新書)

 岩波新書の一冊。ベルクソンと名の付く本はなんでも買ってしまう。ベルクソン哲学の内容は実はまだまだほとんど解っていない。でもとても好きなのです。
 ベルクソンはとても不思議な哲学者。これほど解りにくく、しかし魅力的な哲学はないのでは。岡部聡夫の訳による「物質と記憶」は何度も読み返している。フランス語の原典もいつか読んでみたい、と思ってフランス語の勉強も少しずつ。
 この篠原資明氏の本を読んでまた、ベルクソンが読みたくなった。ベルクソンからインスピレーションを得た<あいだ>の哲学によって生成と存在の秘密に迫る。文章がわかりやすい。稲垣足穂にも言及しているところがおもしろい。
 ところで、ベルクソンによれば、知性とは、自己の有機体以外の素材により、道具を製作し使用する能力であり、人間(知性)の本質を「ホモ・ファーベル」(つくるヒト)と規定する(79頁)。
 ホモ・ファーベルたる人間の特徴を表現する言葉のなかで、ぼくが最も気に入っているのは、「神はニンジンとゴボウをつくり、人間はキンピラゴボウをつくった。」
 このブログの名前もここから。