ランドセル俳人(小林凜)


今朝のNHKラジオ深夜便「明日へのことば」は小学生俳人の話。この子の独特の俳句的感性にはちょっと感動した。

凜君は現在小学校6年生。小学校に入学するとすぐにいじめが始まった。学校はそれを隠蔽しようとし、いじめ被害を訴える親をモンスターペアレンツ呼ばわりする。いまだにこのような学校があるとは絶句するばかりですが、逆にこの悲惨な経験が俳句に目覚める契機になるとはなんという皮肉なことか。そして家族の温かいサポートが如何に重要か。

凜君は小林一茶が大好きらしい。作風も最近は内面の心象を浮き彫りにするような句に変化しつつあるようです。長谷川櫂さんも絶賛されているらしい。

未熟児で生まれたけれど、今は母親を抜くほど大きく成長しているそうです。


この本、俳句本としては予想外に好調ですでに5万部以上売れているそうです。

内容紹介
いじめられ不登校になった少年を支えたのは俳句だった…。
「朝日俳壇」で話題を呼んだ天才少年が紡ぎ出す、優しくて残酷な世界。
聖路加国際病院日野原重明院長 推薦!

――不登校の少年凜君は俳句を作り始めたことでいじめに耐えた。 春の陽に彼は輝く。
いじめ問題に一石を投じる、衝撃の書!

出版社からのコメント
 八歳で「朝日俳壇」に作品が掲載され、多くの読者を驚かせた少年・小林凜。彼は生まれた時、たったの944gだった。
 奇跡的に命が助かり、成長した彼は、その小ささから小学校入学とともに、壮絶ないじめに遭う。
 いじめを見て見ぬふりをする学校。命の危険すら感じた母は、息子を学校に行かせないことに決めた。
 不登校の日々、少年の心を救ったのは俳句をつくるということ―――五・七・五に込められた少年の孤独、優しさ、季節のうつろい、世の不条理。

「俳句への挑戦」
 この日本には、いじめられている人がたくさんいる。僕もその中の一人だ。いじめは一年生から始まった。
 からかわれ、殴られ、蹴られ、時には「消えろ、クズ! 」とののしられた。それが小5まで続いた。
 僕は生まれる時、小さく生まれた。「ふつうの赤ちゃんの半分だったんだよ、1キロもなかったんだよ」、とお母さんは思い出すように言う。
だから、いじめっ子の絶好の標的になった。危険ないじめを受けるたびに、不登校になってしまった。
 そんな時、毎日のように野山に出て、俳句を作った。
「冬蜘蛛が糸にからまる受難かな」 これは、僕が八歳の時の句だ。
「紅葉で神が染めたる天地かな」 この句は、僕のお気に入りだ。
 学校に行きたいけど行けない自分がやすらぐために、たくさんの俳句を詠んだ。
 僕を支えてくれたのは、俳句だった。不登校は無駄ではなかったのだ。いじめから自分を遠ざけた時期にできた句は、三百句を超えている。
 今、僕は、俳句があるから、いじめと闘えている。 ――― 小林凜

内容(「BOOK」データベースより)
たった944gでこの世に生まれた男の子。入学と同時に受けた壮絶ないじめ。母は、不登校という選択をした。学校に行けなくても、俳句があるから僕は生きていける。不登校の少年凛君は、俳句をつくり始めたことでいじめに耐えた。春の陽に彼は輝く。