作家の池井戸潤さんはドラマ「半沢直樹」で有名になりましたが、やはり初期のこの作品(直木賞受賞)が一番好きです。
独自技術で大企業に立ち向かう下町の町工場のものづくり精神をテーマにしたとてもすぐれた小説。ストーリー展開の山場が何度も出てきてそのたびにハラハラドキドキ。そして感動で胸がジーンと熱くなる。
特許の話が出てきます。「たかが特許、されど特許」。
しかし、特許制度がカネ儲けの手段として悪用されるようになっちゃダメ。
主人公の佃が言う以下のセリフには考えさせられますね。
「それは、ちょっと違うと思うんだ」
佃がいった。
「知財ビジネスで儲けるのはたしかに簡単だけれども、本来それはウチの仕事じゃない。ウチの特許は、あくまで自分たちの製品に活かすために開発してきたはずだろう。いったん楽なほうへ行っちまったら、ばかばかしくてモノ作りなんかやってられなくなっちまう」
ものづくりに興味のある方やエンジニアをめざして勉強している学生諸君には超おすすめの傑作。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/11/24
- メディア: ハードカバー
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【参考】
●作家 池井戸潤 「下町ロケット」で直木賞受賞!
http://www.youtube.com/watch?v=dcUv1KfL8A8
ラジオ版 学問ノススメ ゲスト 池井戸潤
2011年9月14日放送分
作家 池井戸潤 ドラマ「半沢直樹」(主演 堺雅人)の作者