安倍政権が原発セールスに勤しむ背後に対日戦略あり

原発はテロの標的になるだけでも大変危険な巨大技術です。最悪の技術。311がそれを証明しました。

米国戦争屋のパペット(操り人形)であるトリモロス・アヘ(安倍晋三)は、311で日本があれだけひどい目に遭わされたにもかかわらず、ぬけぬけと原発セールスに勤しんでいます。


その背後にはどのような構造があるのでしょうか?


日本の優秀な技術者と会社は利用されるだけ利用されて、リスクを負わされて、挙句の果てには訴訟と廃炉費用でお金を日本から分捕ろうという対日戦略がある、と新ベンチャー革命さんが分析しています。



●米国サンオノフレ原発廃炉決定と対・三菱重工訴訟:米国発の原発技術のリスクをすべて日本に負わせる対日戦略の第一弾か
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/32119704.html


1.米サンオノフレ原発廃炉決定:日米原発摩擦勃発か

 マスコミ報道によれば、サザンカリフォルニア・エジソンSCE)の所有するサンオノフレ原発(注1)の廃炉が決まったようですが、このプラントの機器製造に加わった日本の三菱重工MHI)の納入機器に不備があったことが原因でSCE廃炉に追い込まれたとして、MHIを相手取って100億円規模の訴訟が起こされるようです(注2)。なお、SCEがこの訴訟に勝利した後、廃炉費用も別途、MHIに請求する可能性すらあります。

 このような日米原発技術摩擦が勃発することは、2006年、東芝が米ウェスティング・ハウス(WH)の原発事業の買収に踏み切ったとき(注3)、筆者は内心、懸念していました。その懸念が今、表面化し始めたということです。

 筆者は米国シンクタンク・SRIインターナショナルに勤務していた当時の90年代、仕事で、何回かSCEを訪問した経験があります。カリフォルニア州にはもうひとつPG&E(パシフィック・ガス&エレクトリック)という大きな電力会社がありますが、この会社も太平洋沿岸に、上記、サンオノフレ原発同様、ディアブロ・キャニオン原発(注4)を保有しています。

 PG&Eはこの原発建設時、地元住民から猛反対を受けた苦い経験をしています。

 90年代から2000年代にかけて、米国にて電力規制緩和が起こり、SCEもPG&Eも、リスクが高く、天然ガス火力発電に比べてコスト高の原発をもてあましていました。そして、2011年3月11日、日本の太平洋沿岸に立地する東電福島原発が大事故を起こして以来、SCEもPG&Eも、太平洋沿岸の原発廃炉に向けて動き出したと思われます。なお、これらの原発SCEの1号機を除く)はいずれも80年代半ばに運転が開始されています。

2.複雑怪奇な日米原発メーカーの系統図

 さて今回、SCEから訴訟を起こされたMHIの関与したサンオノフレ原発二基は2号機、3号機ですが、1号機は90年代初めにすでに廃炉にされています。1号機はWH社製ですが、今回廃炉が決定した2号機、3号機はWH社製ではなく、コンバスチョン・エンジニアリング(C-E)社製(注5)です(注1)。

 このC-E社の原発技術はWH系であり、C-E社は80年代後半に欧州のABB(注6)に買収されています。そして、ABB 子会社になったC-Eの原発事業は2000年にWHに買収されています(注5)。

今回、MHISCEの訴訟の対象にされたサンオノフレ原発の主契約者C-Eは本来、ABB傘下およびWH傘下となるはずですが、いずれにしても、今はすでに存在せず、SCEはC-Eの下請けに過ぎなかったMHIを訴訟相手にせざるを得ないということです。

 なぜ、MHIがサンオノフレ原発の機器を製造したかというと、MHIは当時、WHと製造ライセンス契約を締結していたからだと思われます。

 本ブログの見方では、SCEは、廃炉費用をMHIから分捕ろうとしているのではないでしょうか。このようなアコギな発想は米企業に共通します。

 米国のビジネス界の常識では、日本は米国戦争屋の属国ですから、何でも日本にツケを回せると考えます。MHIはそのカモということです。

なお、上記、米国戦争屋(世界的寡頭勢力の主要構成メンバー)およびそのロボット・悪徳ペンタゴンを構成する日本人勢力の定義は本ブログNo.687の注記をご覧ください。

3.米国は世界中の米国発の原発技術のリスクを全部日本に押し付けようとしているのではないか

 米戦争屋のパペット傀儡・安倍総理は3.11事件で日本があれだけひどい目に遭わされたにもかかわらず、ぬけぬけと原発セールスに勤しんでいます(注7)。

 それでも、安倍政権の支持率は70%前後と極めて高いわけですから、世界中のまともな人々から見て、日本国民は何を考えているのか、さっぱり理解できないはずです、マスコミ世論調査に捏造がなければの話ですが・・・。

 今の日本が、原発大事故を起こしたにもかかわらず、厚かましくも原発推進国にならざるを得ないのは、米国発の原発技術はすべて、東芝や日立など日本企業に技術主導権が移ってしまっているからと思われます。その発端が、2006年、東芝によるWH買収事件です(注3)。そして、WHのライバルGE(ゼネラル・エレクトリック)の原発技術は事実上、日立が引き継いでいます。

 筆者はMHIの同業で東芝原発工事パートナーであるIHI出身であることから、日米原発技術覇権競争に強い関心を持って調べてきましたが、その背後に、米戦争屋ネオコンの権化・ドナルド・ラムズフェルド元米国防長官が蠢いていたことを知りました(注8)。

 結論から言うと、米戦争屋は世界の原発プロジェクトを日本企業にやらせ、製造ライセンス料のみを受け取り、完成した原発リスクをすべて日本に負わせるという対日戦略をもっていると思われます。なぜなら、原発はいったん事故を起こしたら天文学的巨額損害をもたらすからです。

 今回のSCEによるMHI訴訟はその第一弾でしょう。下手すると、MHI一社では対応できなくて、われら国民の血税が使われる可能性すらあります。

4.米国発の原発技術のリスクをすべて日本に負わせる対日戦略は極めて戦略的に実行されている

 今回、MHIが訴訟される対象となった米原発の製造責任者C-Eは、上記のように80年代後半から2000年初頭にかけて、ABBおよびWHに買収されています。そして、90年代末、WHの原発事業は英国の核燃料公社(BNFL)に売却されています。さらに、C-Eを買収したABBは北朝鮮から原発二基を受注してすぐの2000年に、ABBの原発事業を同じくBNFLに売却しています。こうして、WH系原発事業(C-EおよびABB原発事業含む)を保有したBNFLは2006年、そのすべてを東芝に売却しています(注3)。そして、これらのディールを背後から操っていたのが、米戦争屋ネオコン頭目ラムズフェルドだったのです(注8)。

2001年、ラムズフェルドがブッシュ米戦争屋政権の国防長官に登用されるまで、彼はABBの役員をしていたのです。だから、北朝鮮原発技術を獲得するのを闇から支援していたのは米戦争屋ネオコンとみなせます。

5.1979年制作の映画チャイナ・シンドロームは今日の東電福島事故を予言していた

 2013年6月10日、JCOMテレビにて映画「チャイナ・シンドローム」(1979年制作)を放映していました。筆者は3.11事件のはるか前の大昔にこの映画を観た経験がありますが、この映画は原発の燃料棒の冷却水ポンプのケーシングの溶接部に不良があったのに、X線検査のデータの捏造があって、溶接不良が発見されず、大事故寸前に至ったというストーリーです。筆者はIHI時代、LNGタンクの設計をやっており、圧力容器の溶接部のX線検査の重要性を知っていますから、この映画を鮮明に覚えていました。

 この映画はスリーマイル原発事故を予言した映画(注9)として有名であり、全米で大ヒットし、その後、米国では原発新設工事が住民の反対で極めて困難になっています。

この映画の原発南カリフォルニアに立地している想定でしたから、まさに、WHが1号機(1968年運開、1992年廃炉)をつくったサンオノフレ原発の未来を予言する映画だったと言えます。

 3.11事件を経験した筆者が改めて、JCOMテレビで同映画を観ると、この映画で米国民を震え上がらせたメルトスルー(チャイナ・シンドローム)が、現実に日本で起きてしまったわけで、この映画は、東電福島原発事故も予言していたことがわかります。

6.東芝に米国発原発技術を売ったウェスティング・ハウスは何者かに3兆円のご褒美をもらった可能性がある

 この原発事故予言映画をつくったのはコロンビア映画であり、今は皮肉にもソニーの子会社です。そしてコロンビア映画と同系列のテレビ局CBSは1995年にWHに54億ドル(ウィキCBS日本語版5.4億ドルはミス)で買収されています。そして、99年、WH傘下のCBSは370億ドルでバイアコムに売却されています(注10)。

 つまり、CBS企業価値はわずか4年でナナナント7倍に跳ね上がったのです。

 ちなみに、筆者はWHがCBSを買収した直後、ピッツバーグにあったWHの本社の隣のホテルに泊まった経験がありますが、当時のWHの本社は田舎の貧乏企業のイメージでした。

 この田舎会社WHはCBSの転売で、3兆円の大金持ちとなっています。こんな夢みたいな話があるわけがありません。つまり、これは、WHに対する何らかの報償なのではないでしょうか。

 最後にはっきり言えること、それは、WHがBNFL経由で原発事業を東芝に売ったのは、決して、おカネに困ってやったディールではない!ということです。

注1:San Onofre Nuclear Generating Station
http://en.wikipedia.org/wiki/San_Onofre_Nuclear_Generating_Station

注2:現代ビジネス“三菱重工製の配管欠陥で米サンオノフレ原発廃炉へ! 問われる「原発輸出」の損害賠償リスク取材・文:堀潤(ジャーナリスト)”2013年6月9日
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36079?page=3

注3:ベンチャー革命No.186『東芝のWH買収:高い買い物か?』2006年2月9日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr186.htm

注4:ディアブロ・キャニオン原子力発電所
http://en.wikipedia.org/wiki/Diablo_Canyon_Power_Plant

注5:Combustion Engineering
http://en.wikipedia.org/wiki/Combustion_Engineering

注6:アセア・ブラウン・ボベリ(ABB)
http://en.wikipedia.org/wiki/ABB_Group

注7:本ブログNo.757『安倍首相に原発セールスさせている黒幕は戦争のプロであり、原発を大型核地雷とみなしている可能性あり』2013年5月30日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/32053930.html

注8:論文:グローバルMOT(技術経営)に求められる戦略家とは、2010年
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/31132/1/WasedaKokusaiKeieiKenkyu_41_Yamamoto1.pdf

注9:本ブログNo.338『3.11大震災はほんとうに天災なのか:陰謀論の検証』2011年4月11日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/23898212.html

注10:CBS
http://ja.wikipedia.org/wiki/CBS