辻井伸行クライバーンコンクール

昨夜録画したNHK放送の辻井伸行さんのクライバーン・コンクールのドキュメンタリーを再生して見る。世界の強豪が集まるこのコンクール優勝に至る20日間の感動的なドキュメンタリーだ。

テキサス州フォートワースで4年に一度開催されるこのヴァン・クライバーンコンクールは、質と量ともに若いピアニストにとってかなり過酷なコンクール。

辻井伸行さんの演奏を見るといつも涙腺が緩んでしまう。一切の視覚が遮断され聴覚だけの世界に生きる辻井さんのピアノを弾くことの悦びがこちらに伝わってくるのだ。

生まれたときから眼が見えない人の世界とはいったいどのような世界なのだろうか、想像もできない。しかし、音楽の波動による色彩豊かな世界が拡がっているに違いない。きっと目が見える人々には見えない豊かで美しい世界が流れるように拡がっているのだろう。

実際、彼は盲目であることについては、(他人の介助が必要である点を除いては)まったく気にならないという。

しかし、一つだけ願いがかなうととすれば、どんなことができたらいいと思いますか、という質問に対して、「一度でいいからお母さんのが顔が見たい」と答えたらしい。ジーンとくる話だ。

ところで、このピアノの世界でも最高峰の過酷なクライバーンコンクールに勝ち残った3人は、日本人、中国人、韓国人。いずれもアジアの若者たち。クラッシックの世界にもアジアの時代が来ているということか。

YouTubeで一部見ることができる。

http://www.youtube.com/watch?v=bDtT5sSu5VQ&feature=player_embedded#