中露と米国の対立を長期化する(2023年9月16日 田中宇)

米国のブリンケン国務長官が4月13日の講演で、世界は米国主導で比較的安定していた「冷戦後の時代」が終わり、米国が中露と対立し続ける時代(対立的な新世界秩序)に入ったと、時代の転換を宣言した。

この宣言は、先日のBRICS拡大など非米側の台頭を受け、米国自身が単独覇権体制の終わりを認めたことを意味する。同時に、米国が今後かなり長い期間にわたって中露(など非米側)と対立していくという表明でもある。

ブリンケンは、米国が主導していた冷戦後の世界体制が普遍的な価値観(人権、民主)と国際法を尊重する良いものだったと自賛した上で、中露は従来の世界体制を「米国による強圧的な支配だ」と批判つつ破壊し、替わりに中露など全体主義(非米側)諸大国による新たな支配体制を作ろうとしており、米国はNATOや日韓豪との同盟を率いて中露に勝たねばならない、と主張した。

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