インドの古典音楽ラーガ

たまたま見つけた日本人の演奏家シタール:中山智絵、タブラ:藤澤幸生)による以下のラーガに感動した。しばらく聴いていると自然に涙があふれてくる。なぜだろう。

シタールの旋律から始まり、しばらくしてタブラの音がそっと畳みかけてくるところがとてもいい。

北インド古典音楽 Raga Yaman - Sitar Chie Nakayama & Tabla Yukio Fujisawa
www.youtube.com


Wikipediaの解説によると、

ラーガ (Raga) は、インド古典音楽の音楽理論に現れる旋法であると同時に、精神性の観点から説明すれば自然や宇宙の空気やリズムを表すものである。

ラーガは、結果の音だけに着目すればインドで使用される非常にきめの細かい旋法と言えるが、正確には森羅万象を含む宇宙と一体化した精神状態を音として表現する行為全体を指す。ラーガの旋律は割りきれない微妙なピッチの変化を含むため、正確な記号化は不可能で、口伝による習得が基本となる。従って、音階と同一視してはならない。音階はあくまでもラーガの構成要素の一部でしかない。

ja.wikipedia.org



シタールとタブラの協演からなるラーガを聴くと、大昔、インドとインド的なるものにあこがれていた頃を思い出す(遠い目)。

独身時代に一度貧乏ツアーで北インドカルカッタから鉄道でベナレスを経てデリー)を回り、さらに所帯をもってからもカミさんと行った。カミさんはそのころ、横浜の朝日カルチャーセンターのヨーガ教室に通っていた。村上登久江先生(ヨーガの大家・佐保田鶴治の弟子)の教室。

2回目のインド行はこの村上先生主催のインド仏跡巡礼の旅でした。ブッダガヤやサルナートなど仏跡をくまなくまわるハードかつ濃厚なツアーで、このときのガイドが前田行貴(ぎょうき)先生。

前田先生は、その方面ではかなり有名な学者。三島由紀夫がインドに行ったときのガイドを務めたとのこと。毎日の食事のときに様々の興味深いお話を聞くことができた。飛行機に乗ったときは、必ず裸足になっておられたのを今でも思い出す。



たまたま、以下のサイトで前田先生の業績がまとめられていたので転載させていただきます。多謝。
http://www.ogaki-tv.ne.jp/~yyy/newpage3002.htm

■わが師前田行貴博士経歴
1926年熊本県生まれ。熊本大学理学部研究科(植物生理生態学)終了。

スエーデン・ヴプサラ大学留学(土壌微生物学専攻)。植物学専攻の理学博士。熊本大学理学部教官の時、1955年マハトラ・ガンディーの非暴力によるインド独立に心うたれ交換教授に応募、渡印。ガンディー没後のアシュラムで労働と祈り生活を体験。そのままインドに止住。ワルダ大学、マハトマ・ガンディー大学、パンジャブ大学教授。アジア救ライ協会主事を歴任.約45年在印、帰国。元日印教育協会総裁、国際研究アカデミー名誉会員。

17歳の時断食を体験し、虚弱体質を克服して以来60余年、満月の3日間の断食と毎年12月1日~8日の断食を実践、世界の国々を回り、世界の宗教、文化、教育、健康法(食養、断食、ヨーガ、呼吸法)を学び、研究指導を続け、地球上に真の健康法と福祉を実現することを念願し普及活動を行う。1956年インド初代ネール首相のもとに挙行された仏滅2500年大祭に日本の国賓とともに選ばれ、特別列車で全仏跡地を巡拝。これがもとで、東大寺薬師寺比叡山高野山鞍馬寺、東西本願寺等の関係者、仏教関係者、仏経研究者を中心とした仏跡案内は200回に及ぶ。

1963年からマザー・テレサとともにボランティア野外治療に参加。マハタマ・ガンディーの子息からは生前のガンディーの生き方を毎日のように夕食時、自宅に招かれて聞く。インド政府から認められ、国際理解名誉博士の称号とデカン高原の100エーカー(40万㎡)の土地を寄贈され不可触住民階級の人たちに農業、医療、教育の場として「アナンニケタン・アシュラム(安らぎの里)」設立。


■前田行貴博士著書

「緑なき大地」(燕雀社〉 「キリスト教に与えた仏教思想」(燕雀社)
「インド再発見」(株式会社フジタ) 「日本文化の源流・インド」(㈱マインドウエア)
「インドへの道・佛蹟巡礼」(蓮河舎)「断食」(蓮河舎)
「瞑想のヨーガ」(蓮河舎)

2012年 1月
ラーマーヤナ物語 語り訳(青娥書房)

2012年 3月下旬予定
釈尊の断食と呼吸法 (青娥書房 題字小田玉瑛)


以下の方のブログ記事によりますと、前田行貴先生は、2015年10月24日に89歳で永眠されたとのこと。

https://ameblo.jp/kirigakiri/entry-12477694564.html
ameblo.jp



心よりご冥福をお祈り申し上げます。

合掌。

■過去の関連記事
gyou.hatenablog.com