ベートーヴェン「交響曲第9番」(2020年大晦日)


本日は2020年最後の日。毎年、大晦日ベートーヴェン交響曲第9番」を聴くことにしていますが、今年の大晦日は5年前の弊ブログ記事を若干改訂したものを再録させていただきます。(YouTubeが大幅に削除されていた。)

晦日はやはりベートーヴェン交響曲第9番」で一年を締めくくらなければなりませぬ。

ベートーヴェン最後の交響曲。第9番と同時に構想を練っていたまぼろしの第10番と一体化させたため1時間を超える長さになったという説もある。

日本で第9が年末の演奏行事になったのは、1940年のNHKのラジオ放送がはじまりだとか。(ドイツでは春の訪れを歓ぶ時期に演奏されるようです。)


ベートーヴェン交響曲第9番」といえばフルトヴェングラーを忘れることはできない。

1942年4月20日、ヒットラーの誕生日にベルリンでの演奏(ベルリンフィル)。音質は必ずしも良くはないですが、この圧倒的な地響きのような迫力と臨場感は、なにか差し迫った時代の恐ろしい空気のようなものに圧倒されて、鳥肌が立ちます。

第4楽章の後半からの演奏会の動画になります。舞台脇のハーケンクロイツとともに聴衆にナチス将校たちの様子が映されている。ゲッペルスもいる。なぜかヒトラーの姿はない。

1942年といえば、前年の1941年の12月に日本軍による真珠湾攻撃(実は山本五十六を使ったアメリカの偽旗作戦)に呼応してヒトラーが対米宣戦布告を行ったばかり。

この年の夏、ナチス・ドイツ軍はブラウ作戦を発動しソ連南部に進攻し、電撃戦スターリングラードまで進出した。しかしスターリングラード攻防戦は長期化し、逆にソ連軍に包囲されてしまう。

ちょうどそのころの切迫した状況下のベルリンでの演奏と思われます。

ヒトラーはこの演奏会の3年後の1945年4月30日、ベルリン陥落とともに、替え玉による自殺を偽装してアルゼンチンにちゃっかり逃亡し、そこで100歳を超える天寿をまっとうしたそうです(・。・)ぷっ♪


■Beethoven Symphony No. 9 Furtwangler 1942
6,176 回視聴•2020/07/31
www.youtube.com




最後に、お口直しに、シカゴ交響楽団による全曲を。
(なんと、2600万回視聴されている!)

それではみなさま、よい年をお迎えくださいませ。


■Beethoven 9 - Chicago Symphony Orchestra - Riccardo Muti
26,435,352 回視聴•2015/05/08
Beethoven 9 - Chicago Symphony Orchestra - Riccardo Muti - YouTube
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