トランプによるシリア攻撃の真相

またトランプによる軍産相手の目くらまし作戦か。

●米英仏、シリアを攻撃 化学兵器の使用断定
【ワシントン、ダマスカス共同】
 米英仏3カ国は、シリアへの軍事攻撃を現地時間の14日行った。3カ国が発表した。トランプ米大統領は13日、国民向け演説で、シリアのアサド政権が首都ダマスカス近郊東グータ地区で化学兵器を使い市民を殺傷したと断定、報復攻撃を命令したと表明。化学兵器関連施設を対象とした。ダマスカスでは14日早朝、巡航ミサイルとみられる飛行音と、地響きを伴う爆発音が複数回聞かれた。
 国連安全保障理事会では化学兵器使用を否定するロシアと米英仏の対立が続き、トランプ氏は事態打開が期待できないと判断し、攻撃を決断したとみられる。ロシアの反発は必至。


シリアのアサド政権が化学兵器を使う理由がないことは明白であり、前回と同様、今回の化学兵器攻撃が軍産の偽旗作戦であることは、トランプも十分知っている筈。


今回のシリア攻撃は、トランプと軍産複合体(米戦争屋の好戦派)との間の水面下の駆け引きによるもの。(ちなみに、ケネディ暗殺の黒幕も軍産複合体)。


シリアとロシアは一体化している。そんなシリアを本気で攻撃するってことは、ロシアとの戦争、つまり人類破滅の核戦争に進展するのは必至。

そんなことになっちゃうと逆に軍産は困る。米ロ対立を「適度」に維持し続けることによって軍産が儲かる仕組みは、東西冷戦時代と同じ。

トランプは、もともと軍産が起こした偽装・化学兵器攻撃劇を逆手にとって、本気でロシアと戦争しそうな状況を演出している。これはプーチンも分かっているはずだ。

ビビる軍産に「ロシアと戦争しないでくれ」と言わせて、米軍のシリア撤退もしくは米露協調を実現しようとしている。


これは、まさにいまトランプが北朝鮮でやろうとしている目くらまし作戦と同じ。

トランプは、北朝鮮に関しても過激な「先制攻撃」を言い続けて軍産を「反戦」に追いやり、米朝会談の開催につなげた。

トランプは今回、シリアで「北朝鮮方式」を試みている。

なにしろ、北朝鮮は軍産の傀儡なのですから。本当に攻撃されると、困るのは軍産。



以上が、田中宇さんの分析。

●シリアで「北朝鮮方式」を試みるトランプ
【2018年4月14日】
 軍産複合体は、ロシアと戦争したくない。米露戦争は人類破滅の核戦争になる。とろ火の米露対立を長く維持し、米国の世界戦略を牛耳り続けるのが軍産の目標だ。トランプはこれを逆手に取り、軍産が起こした濡れ衣の化学兵器攻撃劇を機に、本気でロシアと戦争しそうな感じで突っ走って軍産をビビらせ、軍産に「ロシアと戦争しないでくれ」と言わせ、それに押される形で、米軍のシリア撤退もしくは米露協調を実現しようとしている。
トランプは北朝鮮に関しても過激な「先制攻撃」を言い続けて軍産を「反戦」に追いやり、米朝会談の開催につなげた。トランプは今回、シリアで「北朝鮮方式」を試みているわけだ。
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