世界から米軍を撤退するトランプ(田中宇)


就任以来、軍産複合体と水面下で闘い続けてきたトランプのしたたかな戦略が実を結びつつあるようで、まことに喜ばしい。朗報です。


ジョン・F・ケネディは、これを実現しようとしが、志半ばで軍産に暗殺された。(このケネディ暗殺の首謀者パパブッシュが先日死去したが、当局の裁判による処刑(ただし、取引により名誉だけは残された?)だったとの噂あり)


いずれにしても、トランプによる2年に及ぶJFK雪辱戦は、うまくいっている。


沖縄からの米軍撤退も現実味を帯びてきた感じ。




以下、田中宇さんの記事から部分転載。

●世界から米軍を撤退するトランプ(田中宇
http://tanakanews.com/181228trump.htm

トランプは16年秋に当選した時から、シリアやアフガンからの米軍撤退を公約に掲げていた。だが当選してから最近までの2年間、トランプはシリアやアフガンからの撤退に着手できないでいた。その理由は、米国の上層部を牛耳っている軍産複合体(諜報界、軍部、外交筋、議会、2大政党、マスコミ、学界など)がこぞって撤退に反対し続けたからだ。トランプの側近の中にも、マチスやケリー、マクマスター、ティラーソンといった「大人」と称する軍産系の高官たちが陣取り、トランプを抑止し続けた。軍産は、自分たちの特権を維持するため、米国が軍事的に世界を支配し続ける単独覇権体制を必要としていた。反戦リベラルを気取るマスコミや米民主党が、シリアやアフガンでの戦争をやめようとするトランプの撤兵策に猛反対するという馬鹿げた構図が、今回も展開されている。リベラル派(うっかり軍産)の化けの皮がはがれている。 (軍産の世界支配を壊すトランプ) (We Know How Trump’s War Game Ends)

トランプは就任後2年かけて、軍産支配の構図を破壊した。軍産系の「大人」の側近を辞めさせて、代わりにボルトンやポンペオといったネオコン(隠れ多極主義)系の人々を入れた。彼らは、軍産の戦略を過激にやって無効化する策略を展開した。ボルトンは9月、それまで「IS退治(と称するIS支援)」だけが柱だった米軍のシリア駐留の目的に「シリアでイランと戦って追い出すこと」を付け加えた。米軍がシリアでイランと戦うと、それは米イラン間の本格戦争になってしまう。軍産は、イランを何十年も封じ込めたい(=何十年も中東に駐屯したい)だけで、米イランの本格戦争には強く反対だ。だがプロパガンダ的には「イランを潰せ」なので、ボルトンの本格戦争案に、軍産は正面切って反対できない。 (シリアで「北朝鮮方式」を試みるトランプ) (米朝会談の謎解き)

トランプとボルトンは、シリアでの米イラン本格戦争を標榜して軍産をビビらせて弱体化しておき、11月の中間選挙共和党をトランプ化して自らの政治力を強めた後、今回のシリアとアフガンからの撤退、マティスの首切りをやって、軍産の戦略を一気に破壊した。過激な好戦策をやって軍産をビビらしておいて一気に反転するのは、北朝鮮問題でトランプがとったやり方と同じだ。マティスは、トランプ政権中枢に残った最後の「大人(=軍産)」だった。マティスが辞任に追い込まれたことで、軍産はトランプ政権中枢での足場を失った。「戦争をやめたくない」軍産の勢力はトランプ政権から一掃された。政権に残っているのは「戦争を拡大するふりをしてやめていく」要員だ。軍産を無力化したので、トランプは来年、さらに反軍産的な独自の軍事外交戦略を打ち出すと予想される。 (好戦策のふりした覇権放棄戦略) (中東大戦争を演じるボルトン