吉本興業の創業者である吉本せいの生涯を描いたNHKの朝ドラ『わろてんか』が人気のようです。
最初、カミさんが見ているのを横目でチラチラと見るともなく見ていただけだったのですが、なかなか面白いではないか。
いろんな意味で勉強になります。
特に、大阪船場の米問屋出身のごりょうさん(鈴木京香)が、てんちゃん(葵わかな)に伝える「北村家の家訓」が興味深い。
ところで、江戸時代の商人(あきんど)の経営理念としては、近江商人の『三方よし』が有名です。
この「北村家の家訓」は、日々の具体的な商いの重要な指針として貴重。
『始末・才覚・算用』
商売の最も重要な極意が、この3つの言葉に込められている。
一、『始末』
「始末は、節約のことやない。ケチとは違う。無駄な出費をせず、使うべきときに生き銭を思い切り使うということや。」
始末とは、単なる節約やケチということではなく、無駄な金使い(死に金)をやめて、生きたお金(生き銭)を賢く使うということ。
二、『才覚』
「才覚は、どこに商いの勝機があるのか見極めて誰もやらないことをやること。あんたの団子やカレーや。」
才能ではなく才覚こそが重要。斬新な発想や心配り、工夫、努力によって商機を得ること。
三、『算用』
「算用は、金勘定をすることやのうて、帳尻を合わせること。損して得取れ、ということです。」
損して得取れとは、賢い先行投資を惜しまない、ということ。
「入るを量りて出ずるを為す」ということでもある。
ちなみに、『始末・才覚・算用』の元ネタは、元禄時代の作家・井原西鶴の『日本永代蔵』に書かれているそうです。
【参照】
●【商売の極意】わろてんかに学ぶ『始末・才覚・算用』
https://key-performance.jp/blog/semba/