岐阜県の或る工務店さんから、恵那の住宅建築見学会の案内をいただいたので、オルビスにマリッペとカミさんを乗せていそいそと見に行ってきました。
以下、備忘録的メモその1。
諏訪湖SAを朝6時前に出発して恵那峡SAまで一気に走る。早朝は道がすいてて気持ちいい。
恵那峡SAのスタバで朝食をとって現地に向かう。
緑豊かなとても美しい高台にその住宅作品がありました。
一目見て、ただものではない佇まい。
まず、外壁から。
木と白壁の取り合わせがなかなかいい。
木の外壁の方は、杉材の鎧(よろい)張りという技法。
木で外壁を構成する技術としては、以下のようなものがあります。
板壁 (いたかべ)
板張りの壁の総称。板の張り合わせ方によって、垂直のラインが出る縦羽目板と水平のラインが出る横羽目板がある。
縦羽目板の接合部分の種類は、合決(あいじゃく)りと本実(ほんざね)など。
横羽目板は、板を重ね合うように取りつける下見板(羽重ね)張りが一般的。
シンプルな南京下見板張り、間柱に合わせて縁をかぶせた押し縁下見板張り、合決りに似た張り方のドイツ下見板張り(箱目地張り、目筋張り)などの種類がある。
http://skwbsb.seesaa.net/article/127558114.html
鎧張りは、別名、南京下見張り、あるいはイギリス下見とも呼ばれているようです。(「下見」とは木造住宅の外壁のこと。)
雨じまいを考えたすぐれた技術といえます。しかもシンプルな構造。さらに、この住宅の場合は、ぺらぺらの杉板ではなく、かなり厚い杉材(27mm)を使っており、構造的にもガッシリしています。
さらにこの住宅の鎧張りのすごいところは、内側に空気層を設けていること!
これ↓は、鎧張りの一番下から上に向けて撮ったもの。小さな穴の開けられたスチール板から通気する仕組み。見えないところにすぐれた技術がつまっています。
白壁の方は、火山噴出物であるシラスを活用した自然素材の塗壁「白洲ソトン壁」というもの。メンテナンスフリーで汚れも付きにくいらしい。これも天然素材。
軒が深いのもありがたい。軒は1メートルしっかりとってある。(1メートル以内であれば建蔽率に含まれない。)
軒が深いのは、雨を避け、夏の日差しを遮る日本の知恵。
日本の気候風土に合致した伝統技法をうまくとりいえた、外壁と軒の深さに納得。