恵那の住宅建築見学会(その2:シラス壁)


(シラスの成分組成:高千穂シラスのサイトより拝借)


この住宅の外壁に使われている、シラス台地の火山灰を活用した白洲ソトン壁。

調べてみると、このシラス壁ってかなりすぐれものですね。




シラス壁の特性をまとめると:

(1) 安全性と快適性
一切の人工的化学材料を使用しない100%自然素材。主原料は、2万5千年もの間、人類と共存してきた火山噴出物シラス。なので、いま住宅建築で懸念されているシックハウス問題はゼロ。

(2) すぐれた調湿性能(内装の場合)
シラス壁は、湿度が上がると余分な湿気を吸収し、湿度が下がると湿気を放出する調湿機能がある。たとえば、湿度が10%下がると体感温度が1℃下がると言われていることから、蒸し暑い日本の夏にはありがたい機能。

特に、夏場、シラス壁はヒンヤリしているらしい。

(3)消臭機能(内装の場合)
シラス壁の部屋には空気清浄機は不要といわれるほど、消臭機能にすぐれているらしい。嫌な臭いや化学物質をしっかり吸着し、時間が経っても再放出しないとのこと。

(4)長寿命・耐久性・耐候性にすぐれている(内装材・外装材・舗装材)
見学会では、外壁のシラス壁は、メンテナンスフリーで汚れも付きにくいとのお話でした。

実は、シラスと同じ火山噴出物は古代イタリアのローマ時代から使われていたらしい。ローマのパンテオン神殿や古代エジプトのピラミッドの古代コンクリートの原料として使用され、今もその姿をとどめているほど耐久性がある。また、シラス壁は着色にも天然の鉱物顔料を使っているので、紫外線に強く、色あせや劣化もほとんどないとのこと。

耐久性・耐候性にすぐれ、メンテナンスフリーで汚れもつきにくいとは、初期コストがかかったとしても、長い目でみれば、とてもありがたい。

(5)本物の質感
シラス壁の外壁を見たあとでは、住宅メーカーの様々な人工的なデザインの外壁がチープに見えてしまいます。

シラス壁の良さは、そのすぐれた機能だけではなく、天然素材の質感と風合いが生み出す飽きのこない本物の味、これです。

(6)シラスとは何か?
ところで、シラスって、火山の噴火の際に生まれる火山灰かなにかと思っていましたが、ちょっと違いました。シラスは、マグマが岩石となる前に粉末となった物質であり、養分を持たない「原始的な土」。

マグマの超高温で焼成された高純度無機質セラミック物質であることから「マグマセラミック」とも呼ばれている。シラスは非晶質(アモルファス)の占める割合が60〜80%もあり、しかもシラス粒子が多孔質の複雑な構造を有することで、他の火山噴出物とは決定的に異なる極めて特異な性質を持っている。この特性によって触媒機能も発現する。さらに、シラスの主成分である珪酸は、除湿剤として働き、優れた調湿機能を発揮するとともに、アルミナ成分が臭いや化学物質を効果的に吸着する。
(以上、高千穂シラスのサイト情報を参考にさせていただきました。)


シラスって、本当にすばらしい建築材料だったのですね。


このシラス壁の素材を提供しているメーカーの動画あったので、参考に載せておきます。
今回見学させていただいたシラス壁は外壁でしたが、内装の壁にも使われています。(内装の場合、漆喰の壁との違いは何だろうか?後日調べてみよう。)


ところで、以下↓の動画でもありますが、311の地震の際、シラス壁にはクラックも発生しなかったとはすごいことですね。シラス壁は粘りや柔軟性にもすぐれているってことでしょうか。


●高千穂シラスのシラス壁 解説ムービー 〜お客様の声 プロユーザー編〜
https://www.youtube.com/watch?v=ATYiw0Ez6ik



●高千穂シラスのシラス壁 解説ムービー  〜 お客様の声 お施主様編 〜
https://www.youtube.com/watch?v=HkxAxAtu17Y


●「高千穂シラス」のホームページ
http://www.takachiho-shirasu.co.jp/