錫100%の曲がる食器

朝のNHK番組で「曲がる金属食器」を紹介していた。これはおもしろい。開発したのは富山県高岡市にある「能作」という従業員25人の企業。

どうしてこんなにおもしろい曲がる食器がこれまで無かったのか。食器は曲がってはならない、という常識、技術的偏見があったからだ。この常識を逆転させた。セレンディピティがこの商品開発のきっかけ。

純粋な錫は柔らかいため、通常は他の金属を含有させて硬くし切削性を持たせる必要がある、というのが従来の常識だった。能作はこれを逆転させて曲がる食器にしたのだ。

純度100%錫(スズ)の食器は柔らかく手で容易に曲がる。抗菌作用もある。錫の器に入れた水は腐らず、お酒もおいしくなるらしい。ワインをこれで飲んでみたい。

これは欲しい!

能作のサイトから錫食器の説明を転載。

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錫は金、銀に次ぐ高価な金属であり、酸化しにくく抗菌作用が強いという特性をもち、金属アレルギーにもなりにくい素材です。その歴史は古く、紀元前1500年頃の古代エジプト王朝では錫の道具が用いられていたと推測され、日本でも正倉院に錫製の宝物が納められています。また、錫の器に入れた水は腐らない、お酒の雑味が抜けて美味しくなると言われ、古くから酒器や茶器などに使われていました。

能作の錫は、純度100%です。通常は硬度を持たせ切削性を高めるために他の金属材料を加えますが、能作の錫はそれらを一切含みません。純度100%の錫は柔らかく、形状や厚さにもよりますが手で容易に曲げることができます。曲げる時にピキピキと音がしますが、これは錫の分子が擦れ合う音でTin Cryと呼ばれています。

金属でありながらも人肌に馴染む錫を、生活の様々なシーンでお楽しみください。

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