YS−11、走る!(白井健次)

むかしYS−11という名の国産の飛行機があった。国産旅客機の名機と呼ばれていた。

白井さんはこの飛行機に惚れ込んで、その製造会社で技術者としての経験を積み、さらにその後のトヨタでの経験を蓄積。トヨタを早期退職後、折り畳み自転車の会社を設立し、世界最軽量の14インチ折り畳み自転車を開発した。その自転車にYS−11と名付ける。この本には、折り畳み自転車YS−11の開発秘話が書かれていておもしろい。

パナソニックのトレンクルやブリジストンのトランジット・スーパーライトに比べて低価格で軽量かつ強靱な自転車。フレームの基本アイデアは飛行機YS−11のパイプ構造。三角フレーム構造を組み合わせたダブルトライアングル構造。この基本構造によりJIS規格の3倍の強度を持つという。しかも軽い。7キロ台を達成。これは従来の折り畳み自転車に採用されている折り畳み部材の重いヒンジや太いフレーム構造を排除したからだ。

折り畳み部のメカは特許出願されているらしい。調べてみよう。

YS−11の電動アシスト車(YS−11ハイブリッド)の製品化や世界初の自転車用ABS装置(アンチ・ブレーキ・システム)の開発も進めている。たのもしい。

五百住守彦(いおずみもりひこ)氏の折り畳み自転車5linksもいいけど、YS−11もなかなかいいな。

白井健次氏のYS−11のサイト(バイク技術研究所)を覗くと、製品の詳細を知ることができる。

最軽量7.3kgのYS−11。三角フレームが美しい。機能美だ。


MC−1(カート付きの折り畳み自転車)を開発した村山克一氏、両輪駆動型自転車を開発した小関光弘氏(日本ロボティクス)と白井健次氏は自転車技術の三羽烏と呼ばれている(らしい)。この三人のお名前は記憶にとどめておこう。