家猫の起源

日経サイエンス9月号におもしろい記事があった。

イエネコの起源に関する論考。

これまで、野生のヤマネコがペットとして人間に飼われ始めたのは古代エジプトであると考えられていた(3600年前)。

しかし、猫の遺伝子研究(DNA配列の研究)によって、猫が人類に飼われ始めたのは、もっと古く、しかもエジプトではなかった。約1万年前のメソポタミア周辺地域であったことが明らかになった。ちょうど農耕が始まった頃のこと。

イエネコの最古の証拠は、9500年前の地中海のキプロス島。ここで、人間とネコが一緒に埋葬されている遺跡が見つかっている。この辺りから世界中に広がっていったと考えられる。

日本における最古のイエネコの証拠は、昨年2008年に発掘された長崎県壱岐島弥生時代(約2100年前)の遺跡。穀物をネズミから護るために大陸から運ばれたと考えられる。

人間とネコの長い共生の道のりがネコのDNA分析から明らかになった。