本日、日本時間朝10時からトランプvsヒラリー討論会

本日、日本時間の朝10時からトランプとヒラリーのディベートが始まる。

全米で何と1億人の視聴者が見るというからすごい。

今日から始まる計三回のテレビ討論会で、ほぼ両候補の勝敗が決まる。

[ワシントン 22日 ロイター]
- 米大統領選における自身のリードが急におぼつかなくなった民主党候補のヒラリー・クリントン氏は、共和党ドナルド・トランプ候補と初めて直接対決する26日の討論会において、優れたパフォーマンスを示さなければならないというプレッシャーに直面している。

 この討論会は、本選に最も重大な影響を及ぼす可能性がある。

 過去の大統領選で討論会の準備に関わった経験豊富な関係者らは、実力未知数のトランプ氏に対して、クリントン氏が安定した経験豊かな対抗馬として、先行き不透明なこの時代にいかに国を率いていくかを、鮮明に打ち出すべきだと口をそろえる。

 一方のトランプ氏は、最高司令官になる準備ができていると、自身に懐疑的な人たちを真剣に説得する必要があるという。

 3回行われるテレビ討論会の第1回目は、ニューヨーク州ヘンプステッドのホフストラ大学で90分間にわたり行われる。 世論調査でトランプ氏をこれまで十分引き離していたクリントン氏だが、今ではその差は縮まっている。

 1回の討論会で失敗しただけでも、選挙の流れが変わってしまう可能性があることを、過去の米大統領選は示している。 ロイター/イプソスが実施した世論調査によると、現時点で誰に投票するかまだ決めていないと答えた有権者は約20%に上り、4年前の大統領選時の12%と比べてはるかに高いことが明らかとなった。

 第1回目の討論会は、過去最高の視聴者数を記録する見通しだ。 一部のコメンテーターは、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の王座決定戦「スーパーボウル」の視聴者数に匹敵する約1億人の米国人が視聴すると予想している。

 クリントン氏は20日、ラジオ番組のなかで「私のライバルから発せられる侮蔑的発言や攻撃、いじめや敵対感情に対し、できる限り明快かつ勇敢に応じることに最大限努力するつもりだ」と語った。

 2008年の大統領選でオバマ大統領の討論会の準備を手伝ったアニタ・ダン氏は、クリントン氏がトランプ氏の弱みに付け込み、自身の強みを強調するとみている。「際立たせたいのは、2人の間にあるコントラストである」とダン氏は話す。

 過去の選挙戦同様、候補者のボディーランゲージさえ細かくチェックされる。

 クリントン氏は7日、NBC開催の大統領候補を招いたフォーラムで、国務長官時代の私用メール問題に関する質問に対し、感情的な態度を見せた。

 「プレゼンテーションは非常に大事。ヒラリーはそれに取り組まねばならない」と語るのは、ディベート指導者で、2004年米大統領選でジョージ・W・ブッシュ前大統領を指導したブレット・オドネル氏だ。 「フォーラムでの彼女のプレゼンテーションはあまり良くなかった。好印象を与えるものではなく、気難しく身構えているように映った」と同氏は指摘する。

<2人のトランプ>

 クリントン氏は今週、ほとんどの時間をニューヨーク州チャパクアの自宅で、限られた側近と討論会の準備に費やしている。

 クリントン氏の側近によれば、同氏は2つのシナリオに対し準備をしているという。 1つは、トランプ氏が落ち着いた真剣な態度で討論会に臨んでくるというもの。 もう1つは、トランプ氏が無責任な態度で、怒りをかき立てるような個人攻撃に出てくるというシナリオだ。

 トランプ氏は予備選で、(テッド・クルーズ上院議員を)「うそつきテッド」と罵倒したように、得意とする当意即妙なコメントで、共和党候補指名を争った16人もの他の候補者を蹴落としてきた。 クリントン氏については「ひねくれヒラリー」と繰り返し呼んでいる。

 クリントン氏の上級顧問であるジェニファー・パルミエリ氏は、「どちらのトランプ氏が現れるかは全く分からない」と話す。 「よって、何を主張したいかに焦点をほぼ絞っている」

 一方、トランプ氏を支持する共和党のクリス・コリンズ下院議員によれば、トランプ氏は、大統領としてふさわしい態度を前面に押し出す必要のあることを理解しているという。

<ロールプレーイング>

 ジョージ・W・ブッシュ前大統領の模擬討論で、2000年と2004年にそれぞれ民主党アル・ゴア氏とジョン・ケリー氏の役を務めた元共和党上院議員のジャッド・グレッグ氏の話では、ブッシュ氏はメディアに気づかれずに6月初めに準備を開始し、しばらくの間は1日に2回討論の練習をしていた。

 そういうわけで、グレッグ氏は、トランプ氏が実際にはもっと準備を進めているとみているという。

 共和党のトランプ陣営に近い関係筋によると、FOXニュースの前最高経営責任者(CEO)であるロジャー・アイルズ氏がトランプ氏を指導しているが、リアリティ番組のスターだったトランプ氏は準備のしすぎには気をつけているという。

 トランプ氏の広報担当であるジェーソン・ミラー氏は、トランプ氏は討論会の準備をしてはいるが、「ヒラリー・クリントンの役をしている人はいない」と語った。

「トランプ氏はやること全てを準備する」と同氏は述べた。

(Steve Holland記者、Amanda Becker記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)


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