今日はうれしい雛祭り(サトウ・ハチロー)

●うれしいひなまつり
https://www.youtube.com/watch?v=SFugKy3Baic

今日はうれしい雛祭り。

以下、過去の記事をちょっと変えて再録させていただきます。

我が家は三人とも男ばかりで娘がいないので、いつもひな祭りはちょっとさみしい。

あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひなまつり


桃の節句・ひな祭りのたびに、娘のいる家庭が羨ましくなる。うちはむくつけき男3人ばかりなり。

サトウハチロー作詩の童謡「うれしいひな祭り」を聴くと、幼い頃、幼稚園児だったときに近所のサッチャン(仮名)の家にひな祭りにおよばれした時のことを思い出す。あの子は今頃三重県のどこかで元気に生きているだろうか。この歌を聴くたび胸にジーンときます。


ところで、ひな祭りの起源を調べてみるとおもしろい。人類の観念技術史の格好の題材。

人形辞典によると、ひな祭りの歴史は古く、その始まりは平安時代中期(約1000年前)に上流階級の少女たちの間で流行していた「ひいな遊び」。今のままごと遊びのようなものだった。しかし、さらにその奥にもっとおもしろい話がある。

「ひいな(雛)」とは、形代(かたしろ)としての人形のこと。そして、この形代は古事記に出てくる「ヒルコ伝説」にまでさかのぼる。

ちょっと奇怪な話ですが、古事記によれば、ヒルコとは、イザナギイザナミが最初の交合が失敗して産み落とした奇形の子のことであり、始末に困った両親が、このヒルコを天鳥船(アマノトリフネ)や鳥磐楠樟船(トリノイワクスフネ)に乗せて流したとされている。(これは水葬の一種)

そして、そのヒルコは偉大な力とともに人々のもとに帰還してくる。これが「希種流離譚」と呼ばれる物語。流される王子の物語。このパターンの神話は世界中に分布しているという。

太古の人々は、おそらく形代(人形)に何か神秘な力を感じていたのでしょう。未熟児や身体に障害を持って生まれてきた子供には偉大な力がある。それがヒルコの伝説であり、ヒルコはエビス神として回帰する。(ヒルコがエビスになったというのは松岡正剛さんの説)

かくして、ひな祭りの根源を探っていくと、そこには人類の観念技術史の奥深い真実が潜んでいるのかも知れない。


松岡正剛さんの以下の「千夜千冊」の記事が参考になります。

●ゑびすの旅
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0694.html