- 作者: 長谷川櫂
- 出版社/メーカー: 花神社
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本
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文章が明確で無駄がなく、しかもメリハリがあってわかりやすい。濃い内容をとても読みやすく書かれているので電車の行き帰りで読める。
さて、貞享三年(1686年)の春のある日に深川の芭蕉庵で催された句会でよんだあまりにも有名な句。
古池や蛙飛びこむ水のおと
この俳句の誕生以来300年間、この句の解釈は実は誤解されていた!
いったいどのように誤解されていたのか。
正岡子規や高浜虚子を含めて古来この句は「古池にカエルが飛びこんで水の音がした」と解され「自然に閑寂な境地をうち開いている」(山本健吉)といわれていた。
誰でもそう思っていた。僕もそう思っていた。しかし、長谷川櫂さんは、そうではない、という。古池に蛙は飛びこんでなどいないという。このミステリーを読み解くことによって、芭蕉がなした革命的な作業があらわになる。