環境問題はなぜウソがまかり通るのか

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

 著者は名古屋大学の資源材料学の武田邦彦教授。
 これまでの常識が覆される。目のウロコがぼろぼろとこぼれ落ちる。以下、ポイントをいくつか。
(1)ゴミの分別回収は環境を悪化し、しかも税金の無駄遣いだった!
 たとえば、平成5年に始まったペットボトルのリサイクルの結果は、(1)資源を節約するどころか、資源を7倍も使い、(2)ゴミの量を7倍も増加させ、(3)再利用もほとんどされていない、とうことだ。リサイクル事業に投入された資金(税金)は特定の利権業者のふところに、というカラクリ。回収されたペットボトルは、高い金で利権業者に渡り、そのほとんどは焼却処分されるか放置されている。国民的運動のようにやっている分別回収であるが、実際に再資源化される量はわずか1%〜3%だそうだ。リサイクルは事業として成立しえないからである。このような気休めだけの「リサイクル活動」のために、国民は約1兆円のお金を支払わされているのだ。だまされていた。
(2)ダイオキシンは人体に無害である!
 これには驚いたが、毒物学の高名な先生が断言しているから真実である。マスコミにたたかれた所沢の野菜農家はいまだに苦しんでいる。我が家もダイオキシン騒ぎがあってからここ数年は暖炉を燃やしていない。近所の目に配慮して自粛しているのだ。今年の冬からはどんどん燃やします。一時盛んに報道された「環境ホルモン」も今やなつかしい用語となったが、特殊な動物をピックアップして科学の名を借りてウソ報道を流しただけであった。われわれはだまされていた。
(3)地球温暖化にまつわるウソ
 地球温暖化で北極の氷が溶けてもそれによって海水面が上昇することはない。北極は海面に氷が浮いているだけだからアルキメデスの原理で水面が上昇することはあり得ない。(コップの水に浮かせた氷が溶けてもコップの水位は変化しない)。問題は南極の氷である。南極は大陸だから、その表面の氷が溶けると大変だとだれでも思う。しかし、国連の機関IPCCによれば、「南極の周りの気温が高くなると、海水は下がる」という驚くべき結論。もし、地球が温暖化して海水面が上がるとすれば、その理由は「北極や南極の氷が溶けるからではなく、海水が膨張するから」ということらしい。われわれは「故意の誤報」によってまんまとだまされていた。
 これらすべてに共通することは、「故意の誤報」によって「公的資金」がある特定の組織に流れているという構図である。