ネアンデルタール人の技術的知能

 ネアンデルタールの技術的知能こそが問題である。これを解明しなければならない。かれらの技術的知能はどのようにして解発されたか。いくつか仮説が考えられる。
 まず、社会システムが駆動源となって、技術活動がはじまったという仮説。
 ネアンデルタール人の技術活動はヴィゴツキーの外言に対応するという仮説。
 ネアンデルタール人自閉症であったという説。(自閉症児の技術能力がどのようなものか調べること。また、サバン症候群についても調べること。)
 APサイクルが成立したという仮説。技術活動が<異物>ではなくAPの<構成素>となったこと。
 認知的流動が生じる前、分裂病遺伝子が発現する前の、心的システムが分化する前の技術的知能とはいったいどのようなものであったか。大変興味深い問題だ。
 ネアンデルタール人は早熟すぎて無意識が形成されることがなかった、というフロイト中沢新一の説。(では、無意識と分裂病と創造性の関係はどのようなものか。)いや、創造性・無意識がなくても存在する技術的知能とはいったいなにか。私の仮説では、社会システムの成立と技術的知能の成立は深い関係がある。