トランプ革命の進展(20250328)

本書では、2025年1月20日に発足した第二次ドナルド・トランプ政権を網羅的に分析した。トランプを支える2人の大富豪、ピーター・ティールと
イーロン・マスクの動きについて詳しく解説している。トランプ政権の閣僚の解説、昨年のアメリカ大統領選挙の解説も行った。世界の大きな動きでは、アメリカが西半球に立て籠もるモンロー主義に回帰し、他の部分を中露に任せるという「ヤルタ2.0」体制に進むと分析した。

「ヤルタ2・0」体制

トランプの高速度の仕掛けによって、アメリカ国内と世界が唖然としてしまった。トランプはいったい何をやっているのか、何を考えているのかという疑問を多くの人たちが持っている。本書はそうした疑問に対する答えになっていると自負している。

『トランプの電撃作戦』◆目次

まえがき 1

第1章 ピーター・ティールとイーロン・マスクに利用される第2次トランプ政権
●新・軍産複合体づくりを進める2人が支えた132年ぶりの返り咲き大統領 18
●トランプ陣営においてわずか3カ月で最側近の地位を得たイーロン・マスク 24
●第1次トランプ政権誕生に尽力し、影響力を持ったピーター・ティール 28
●第1次トランプ政権で「官僚制の打破」と「規制の撤廃」を求めたピーター・ティール 36
●第2次ドナルド・トランプ政権の人事に影響力を持つ世界一の大富豪イーロン・マスク 40
●トランプを昔から支えてきた側近グループからは嫌われるイーロン・マスク 42
●2010年代から進んでいたティールとマスクの「新・軍産複合体」づくりの動き 46
●選挙後に「トランプ銘柄」と目されたパランティア社、スペースX社、アンドゥリル社の株価が高騰 50
パルマー・ラッキーという聞き慣れない起業家の名前が出てきたが重要な存在になるようだ 56
●パランティア・テクノロジーズとアンドゥリル社が主導する企業コンソーシアム 59
●21世紀の軍拡競争によってティールとマスクは莫大な利益を得る 64

第2章 第2次ドナルド・トランプ政権は「アメリカ・ファースト」政権となる
●忠誠心の高い人物で固めた閣僚人事 68
●「アメリカ・ファースト」は「アメリカ国内優先」という意味であることを繰り返し強調する 70
●「常識」が基本になるトランプ政権が「社会を作り変える」政策を転換する 72
●40歳で副大統領になったJ・D・ヴァンスはトランプの「後継者」 75
●厳しい家庭環境から這い上がったヴァンス 76
●ピーター・ティールがヴァンスを育て、政界進出へ強力に後押しした 80
●政府効率化省を率いると発表されたイーロン・マスクとヴィヴェック・ラマスワミの共通点もまたピーター・ティール 83
●第2次トランプ政権は国境の守りを固めることを最優先 90
●国防長官のピート・ヘグセスの仕事は国境防衛とアメリカ軍幹部の粛清 96
●「以前の偉大さを取り戻すために関税引き上げと減税を行う」と主張するハワード・ラトニック商務長官 99
●トランプに忠誠を誓うスコット・ベセント財務長官は減税と関税を支持してきた 105
トランプ大統領は石油増産を最優先するエネルギー政策を推進する 109
●トランプの石油増産というエネルギー政策のキーマンとなるのはダグ・バーガム内務長官 112
●ロバート・F・ケネディ・ジュニアの厚生長官指名でビッグファーマとの対決 116
●「アメリカを再び健康に」で「医原病」に対処する 117
ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件関連文書の公開はCIAとの取引材料になる 120
●トゥルシー・ギャバードの国家情報長官指名と国家情報長官経験者のジョン・ラトクリフのCIA長官指名 122
●第2次トランプ政権にアメリカ・ファースト政策研究所出身者が多く入った 127
●「裏切り者、失敗者の巣窟」と非難されるアメリカ・ファースト政策研究所 128
●第2次トランプ政権で進めようとしているのは「維新」だ 135

第3章 トランプ大統領返り咲きはどうやって実現できたのか
共和党「トリプル・レッド」の圧倒的優位状態の誕生 140
●トランプ当選を「的中させた」経緯 142
アメリカの有権者の不満をキャッチしたトランプ、それができなかったバイデンとハリス 149
●バイデンからハリスへの大統領選挙候補交代は不安材料だらけだった 156
●「自分だったら勝っていただろう」と任期の最後になって言い出したバイデン 161
カリフォルニア州を含むアメリカ西部出身者で、これまで民主党大統領選挙候補になれた人はいないというジンクスは破られず 164
アメリカ国内の分裂がより際立つようになっている 168
●2028年の大統領選挙の候補者たちに注目が集まる 173

第4章 トランプの大統領復帰によって世界情勢は小康状態に向かう
●対外政策も「アメリカ・ファースト」 188
●「終わらせた戦争によっても成功を測る」「私たちが決して巻き込まれない戦争」というトランプの言葉 195
●第2次トランプ政権の外交政策を担当する人物たちを見ていく 197
トランプ大統領の返り咲きによってウクライナ戦争停戦の機運が高まる 202
●ロシアのプーティン大統領に対しては硬軟両方で揺さぶりをかけている 206
●トランプの出現で一気に小康状態に向かった中東情勢 210
●スキャンダルを抱えるネタニヤフはトランプからの圧力に耐えきれずに停戦に合意した 212
北朝鮮に対しても働きかけを行う 216
●トランプ率いるアメリカは「モンロー主義」へ回帰する―― カナダ、グリーンランドパナマを「欲しがる」理由 220
●トランプは「タリフマン(関税男)」を自称し、関税を政策の柱に据える 226
●日本に対しても厳しい要求が突きつけられる 229
●日本にとって「外交の多様化」こそが重要だ 236

第5章 トランプ率いるアメリカから離れ、ヨーロッパはロシアに、アジアは中国に接近する
●「ヤルタ2・0」が再始動 240
●参加国の増加もあり影響力を高めるBRICS 244
●「脱ドル化」の流れを何としても止めたいアメリカ 249
●グローバルサウスの大国としてさらに存在感を増すインドネシア 253
サウジアラビアは脱ドル化を睨み中国にシフトしながらもアメリカとの関係を継続 257
●宇宙開発やAIで続く米中軍拡競争 260
キッシンジャーは最後の論文で米中AI軍拡競争を憂慮していた 263
キッシンジャー最後の論文の共著者となったグレアム・アリソンとはどんな人物か 267
ヘンリー・キッシンジャーの教え子であるグレアム・アリソンが中国最高指導部と会談を持つ意味 269
●トランプが進めるアメリカ一極の世界支配の終焉によってユーラシアに奇妙な団結が生まれるだろう 273
トランプ大統領返り咲きは日本がアメリカとの関係を真剣に考え直すきっかけになる 275


www.youtube.com

www.youtube.com
www.youtube.com