日本発「世界を救う薬」?
これはアビガンのことです。
伊藤博敏というジャーナリストの方の記事。
タミフル、リレンザなどの治療薬が、増殖するウイルスを細胞内に閉じ込めるのに対し、アビガンはウイルスの複製そのものを阻害して増殖を、直接、押えられる。つまりメカニズムが違うわけで、それが「条件付き承認」の理由だった。
市販されないのだから現実的な用途は、「イザ」という時の政府備蓄用のみ。17年3月、200万人分の備蓄が決まった。アビガンはようやく出番を迎えたことになる。
もっとも、先行したのは中国である。中国は、新型コロナウイルスの感染者に対し、各種治療薬の臨床試験を行いつつある。
その結果、ファビピラビル、リン酸クロロキン、レムデシビルに治療効果があるとされ、高い治療効果と副作用の少なさで、ファビピラビルが中国で抗インフルエンザ薬として販売許可を得た。
コロナウイルス患者への有効性は、引き続き他の薬剤を交えて臨床試験で検証するが、まず使えるようにした。製造するのは浙江省の浙江海正薬業で、16日から本格的に生産を開始した。製品名は法維拉韋である。
「現段階で、アビガンがコロナウイルスに有効であるという確実なデータはなく、政府による推奨を当社からコメントする立場にはありません」と、同社広報担当者は慎重な姿勢を崩さない。
だが、最悪シナリオで数万人の感染者も予測されるなか、アビガンの存在は、「治療薬がある」という安心感につながり、その効能効果によっては、日中韓だけでなく、世界に広がる可能性を秘めている。