里山資本主義(4)CLT普及へ林野庁が動き出したようです

前回の「里山資本主義(3)CLTはやっぱりすごい!」の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20131226


日刊工業新聞の記事によれば、CLT普及へ林野庁が動き出したようです。新年早々いいニュースです。

CLTとは、Cross Laminated Timber。板材を繊維方向が直交するように直角方向に接合一体化した木質材料。従来のいわゆる集成材が軸材(柱、梁等)として使われるのに対し、CLTは面材(壁、床等)として使用される。ただし、面材といっても従来の「合板」のイメージとは程遠い。コンクリートや鉄骨に替わり得るまったく新しい「木質構造材」と見た方がいい。

林野庁、CLT普及へ技術開発−研究機関を公募へ
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0920140108cabh.html
掲載日 2014年01月08日

林野庁は欧米諸国で中高層建築物向けに急速に普及している直交集成板(CLT)の国内市場創造をにらみ、関連技術開発を加速する。CLTを建築材料に使うために必要な強度データの収集や耐火試験を行う研究機関を近く公募し、決定後の手続きを経て4月にも試験をスタートさせる。それまでに関連データをそろえ、国内CLT産業の発展や国産木材利用の促進につなげる。国土交通省が進める建築設計技術の研究と連携して関連産業の発展を図る考えだ。
 通常の集成板が繊維方向が同じ木材を張り合わせたのに対し、CLTは繊維方向が直交するように積層接着した。オーストリアやドイツで中・大規模マンションや商業施設の壁や床利用が進んでおり、英国では9階建ての建築物に採用されている。
 日本では接着性能や曲げ性能、ホルムアルデヒド放散量などを規定した日本農林規格(JAS)が2013年12月に制定され、建築関連法規の整備が進められている。現状は積層が3層程度の屋根材レベルにとどまっているが、法整備が進めば市場が広がるとみている。ただ、欧米のCLT輸入が増えるだけでは国産木材の利用増加につながらない。そこで関連データ収集や技術の開発を急ぐ。

英国では9階建てのビルの建造にCLTが採用されているそうです。すごい。コンクリートに替わり得る構造材がCLTだということですね。


http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/24hakusyo_h/all/a65.html


早く法律を整備して日本でも国産の杉材をふんだんに使ったCLTが普及するようになるといいですね。休眠資産であり花粉症で厄介ものなっている日本のスギを有効利用することで一石二鳥の効果。そのためには急峻な日本の山から杉材を効率的に伐採する技術開発が必要です。(後日、その技術について紹介しようと思っています。)