日本をウォール街の植民地にしようとしているのか


日銀が選挙用に「景気は穏やかに回復しつつある」と表現してました。はっきりと「回復しつつある」と言ってしまうとウソになるので、苦し紛れに「穏やかに」を付け加えた。これならウソにはならないとでもおもったのでしょうか。


日本の全産業を支えている中小企業はアベノミクスのおかげで経営は悪化していると悲痛な声をあげている。

日刊工業新聞アベノミクスに疑問符
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20130704



以下、櫻井ジャーナル様より転載。

http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201307110000/
2013.07.11
参議院選を前にして、日銀は日本経済が「穏やかに回復しつつある」と表現したが、恩恵に浴するのは社会的な「強者」だけであり、選挙後には化けの皮が剥がれることに

 参議院選を前にして、日銀が安倍政権を後押しする発表をした。7月11日に開かれた金融政策決定会合で景気判断を上方修正、「緩やかに回復しつつある」と「予想紙」のような表現を使ったようなのだ。

 言うまでもなく日銀の黒田東彦総裁は安倍晋三首相と一心同体の関係にあり、「量的・質的金融緩和を進めていって日本経済をしっかり支えていきたい」と言った人物。が、金融緩和で実体経済が回復するはずはない。

 第2次世界大戦後、米英の支配層を中心として、強者総取りの経済システムを世界に広めてきた。例えば、独占禁止法を緩和し、労働者の権利を削り取ってきた。その総仕上げで導入されたのが「規制緩和」と「私有化」の新自由主義経済。
 プロテスタンティズムの「禁欲」が「強欲」に変質して資本主義を生み出したという見方がある。カルバンの「予定説」によって善行は無意味ということになり、「天下の義」は否定された。こうした考え方をするピルグリム・ファーザーズが建国の礎を築いたのがアメリカだ。

 貧困層を助けることは神/仏の意志に合致すると考える宗教、例えば、カトリック、仏教、イスラムとカルビン派は違う。共同体の構成員は互いに助け合うべきだという理念を持つコミュニズムナショナリズムとも相容れない。

 新自由主義経済の布教活動と並行する形で、ロンドンを中心とするオフショア市場/タックス・ヘイブンのネットワークが整備された。この仕組みは既存のタックス・ヘイブンとは比較にならないほど秘密度が高く、財産を隠し、租税を回避し、犯罪資金をロンダリングするためには便利な存在。

 要するに、庶民のカネは搾り取られ、一部に集められ、その資金が流れ込む先が投機市場。その結果、実体経済は萎み、金融は肥大化した。この仕組みを放置したまま、資金供給量を増やしても金融市場へ流れていくだけのことであり、実体経済が回復するはずはない。実体経済を回復させたいなら、別の手立てが必要だ。

 勿論、安倍政権がそうした手立てを考えているとは到底、思えない。それどころか、安倍政権はTPPによって、経済活動が絡むあらゆる政策の最終的な決定権をウォール街に渡そうと画策している。そうなれば、参院選が終わり、安倍政権の正体が明るみに出て自民党が消滅したとしても、新政権は何もできない。原発を止めようとしても、TPPのISDS条項が立ちはだかる。

 要するに日本をウォール街の植民地にしようというわけだが、そうしたプランを実現するためにも参院選安倍内閣は勝利しなければならない。だからこそ、日銀もマスコミも与党を勝たせようと必死なのである。