小林秀雄の最後の対談テープ発見

今朝のNHK小林秀雄の最後の対談テープが発見されたという素敵なニュースが流れた。

さっそくそのCDを付録にした雑誌「考える人」(5月号)を速攻で注文。

若いころからアンリ・ベルクソンを愛読し、おそらく世界中でベルクソン哲学をもっとも深く理解している哲人・小林秀雄の最後の未発見テープ。

ベルクソン本居宣長を深く深く愛した小林秀雄の言説はこれからますます重要になっていくのではないかと推測する。


ちなみに、弊ブログ名「ホモファーベル」(ものづくりをするヒト)は、ベルクソンが現生人類を定義するときに使った用語です。

ベルクソン小林秀雄
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20110817




小林秀雄の対談録音したテープ見つかる
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130404/k10013663071000.html
小林秀雄の対談録音したテープ見つかる
4月4日 5時28分

ことしの大学入試センター試験の国語の試験に出題され、その文章の難解さが話題にもなった評論家の小林秀雄の対談の内容を録音したテープが保管されていたことが分かり、小林の思想に迫る貴重な資料として注目されています。

明治35年に東京で生まれた評論家、小林秀雄は、随筆「考へるヒント」や「無常といふ事」などの作品を発表し、「近代批評の神様」とも呼ばれ、ことしは大学入試センター試験で平均点が下がった国語の試験にエッセーが出題され、その文章の難解さが話題になりました。

小林秀雄は昭和58年に亡くなりましたが、亡くなる4年前、親友の評論家、河上徹太郎と人生最後の対談を行い、それを録音したテープが保管されていたことが分かりました。

この対談は「歴史について」という題で当時の雑誌に掲載されましたが、テープには雑誌で未公開の部分も含め、およそ67分、くつろいだ雰囲気の中にも真剣に意見を交わす様子が記録されています。このうち、コンピューターについて、小林は「今どきの人はコンピューターと競争して足りないものを努力と言っている。今は努力というのは非常に消極的な意味しかない」などと語っていて、日ごろから考えることの重要性を強調していた小林がコンピューターが普及し始めるなかで、人間の価値は何なのか思索を巡らせていたことがうかがえます。

また、対談が終わって河上徹太郎が帰ったあと、「河上君も年を取ったなあ、つらいなあ」などとつぶやいている声もあり、この翌年に亡くなった河上との別れが近いことを悟っていた様子も分かります。

小林秀雄の対談の録音は極めて珍しく、小林の担当だった大手出版社新潮社の元編集者、池田雅延さんは「このような録音が残っていることに驚いた。内容もさることながら語り口が非常にすばらしい。小林の思想に迫る貴重な資料だ」と話しています。

この音源は新潮社から4日発行される雑誌「考える人」の付属のCDで公開されます。