これは心臓病で苦しんでいる人に朗報。
ある化合物をヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)に作用させると、iPS細胞から高い確率(98%)で人間の心筋細胞に近いものが低コストで形成できる新しい方法を開発したらしい。京都大学の中辻憲夫(なかつじ・のりお)教授らの業績。ノーベル医学生理学賞が決まった山中伸弥(やまなか・しんや)教授が所長を務める京大iPS細胞研究所の研究者も参加した。
もちろんこれは森口某のインチキ心筋細胞とは大違い。
形成確率が高く、安全性も向上し、さらに低コストで作製できるところがポイント。
この心筋細胞化に寄与する特定の化合物「KY02111」を見つけるのが大変だったようです。
約1万種類の化合物の中から、心筋になるのを促進する効果が高いものを見つけた。
つまり、1万回の実験を経て発見された。ということは1万回失敗したってことですよね。
日本人ならではの根気のいる仕事です。頭が下がる。
石原珍太郎のような老害政治家のつまらない放言を取り上げるヒマがあったら、このような明るく人々のためになる重要なニュースをもっと詳しく大々的に流してほしいものです。
●ヒトiPS細胞から安全な心筋効率作製 京都大が世界初
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201210260092.html
新たに開発した化合物を使い、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から安全性に優れた心筋細胞を効率良く作ることに京都大の中辻憲夫(なかつじ・のりお)教授らのチームが成功し、25日付の米科学誌セル・リポーツ電子版に発表した。
心筋細胞は、さまざまな組織や臓器の細胞になる能力があるiPS細胞から既に作られているが、今回は世界初の作製法。iPS細胞から最大98%の高い割合で、成人の心筋細胞に近いものが低コストでできる利点がある。チームは「これまでの課題を克服できる。実用化を大きく前進させ、世界で活用される技術」としている。
同様の能力を持つヒトの胚性幹細胞(ES細胞)でも成功しており、心臓病の患者に心筋細胞を移植する再生医療のほか、病態解明や治療法開発、新薬の毒性試験に役立つと期待される。
チームは約1万種類の化合物の中から、心筋になるのを促進する効果が高い一つを見つけ、これをもとに化合物「KY02111」を開発した。
心筋細胞のもとになる中胚葉細胞をiPS細胞から作り出し、この化合物を加えて培養したところ、8〜10日後には心筋細胞になり、拍動が始まった。さらに約20日後には、成熟して機能性の高い成人に近い心筋細胞ができた。
今回の作製法は、培養の際、従来のように、感染症の病原リスクが懸念されるウシの血清などの動物由来成分や、細胞の増殖や分化を促進する高価なタンパク質を使う必要がなく、培養液のコストは従来の20分の1。
また、iPS細胞から作れる心筋細胞の割合は従来法は10〜60%だったが、今回は最大98%と高効率、高純度に作製でき、がん化などの危険性がある、心筋以外の細胞を減らせ安全性を高めた。
チームには、ノーベル医学生理学賞が決まった山中伸弥(やまなか・しんや)教授が所長を務める京大iPS細胞研究所の研究者も参加した。