NHKスペシャル「終戦 なぜ早く決められなかったのか」

昨晩のNHKスペシャル「終戦 なぜ早く決められなかったのか」はつまらない番組だった。分かっていながらついつい見てしまった(+_+;)\パコッ!

しかし、番組中の以下の部分だけは評価できる。

高木惣吉氏による、スイスルート(ダレス)を通じた講和交渉の可能性についての進言を米内光政(よない・みつまさ)はあっさり、謀略だ、と言ってこれを黙殺した。


この米内の一言によって、終戦が遅れ、そのため最後の3カ月で60万人の人が無駄死にした可能性がある。(おそらくジェームズ・バーンズと示し合わせていたのだろうか?)

この番組のもっとも重要なポイントはここです。他はどうでもいいことです。番組に登場した学者たちは、当時の日本政府のダメさ加減や縦割り組織の問題を指摘していましたが、退屈であくびが出た。組織論を何十年研究しても戦争の本質には迫ることはできないだろう。だいたい米国戦争屋の忠実な広報犬である元外務省の岡本行夫が出ているだけでこの番組はアウトです。申しわけありませんが・・・

ところで、米内は東京裁判でも訴追されることなく戦後も生き延びた。のうのうと。米国と通じていたから無罪になったのでしょう。

米内光政は、原爆投下について、「天祐だ」と言ったらしい。天の恵みの意味。この言葉に、ニヒルで爬虫類のような米内の性格が表れている。

これに対し、陸軍大将の阿南惟幾(あなみ・これちか)は、8月15日夜自害。部下と最後の酒を飲んだあと切腹介錯はなし。

自害する前に一言こう言った。

「米内を切れ!」

この言葉の意味は重大です。阿南大将は、最後の最後に米内光政のどす黒い陰謀に気が付いたのでしょう。アメリカに魂を売った売国奴を切れ、という意味なのでしょう。(三村文男氏の「米内光政と山本五十六は愚将だった―「海軍善玉論」の虚妄を糺す」より)


ところで、NHKが視聴者から徴収したお金をふんだんに使って製作したNHKスペシャル番組で、日本の終戦(降伏)を遅らせたもっとも重要な人物である当時の米国国務大臣だったジェームズ・バーンズがまったく出てこなかったのはなぜ???

米国戦争屋勢力としては、原爆を投下する必要があった。だから投下の準備ができるまで日本を降伏させるわけにはどうしてもいかない事情があった。冷戦という新たな戦争を始めるために・・・


●原爆を投下するまで日本を降伏させるな(鳥居民)
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20120809


【参照】
●NHKスペシャ
終戦 なぜ早く決められなかったのか
http://www.nhk.or.jp/war-peace/summer/onair03.html

8月15日(水) 午後7:30〜8:45 総合
 敗戦から67年を迎える太平洋戦争。その犠牲者が急激に増加したのは、戦争末期だった。勝敗はとっくに決していたにもかかわらず、なぜもっと早く戦争を終えることができなかったのか。当時の日本の国家指導者の行動や判断には、多くの謎や不可解な点が残されている。
 今回NHKは研究者の共同調査で、戦争末期の日本の終戦工作を伝える大量の未公開資料を、英国の公文書館などから発見した。それらによると、日本はソ連の対日参戦を早い時期から察知しながらソ連に接近していたこと。また、強硬に戦争継続を訴えていた軍が、内心では米軍との本土決戦能力を不十分と認識し、戦争の早期終結の道を探ろうとしていたことがわかってきた。1日でも早く戦いを終える素地は充分に出そろっていながら、そのチャンスは活かされていなかったのである。
 番組では、戦後に収録されながら内容が公開されてこなかった当事者らの肉声証言なども検証し、重要な情報が誰から誰に伝えられ、誰には伝えられなかったのかを徹底分析。国家存亡の危機を前にしながらも、自己の権限の中に逃避し、決定責任を回避しあっていた指導者の実態を浮かび上がらせる。国家的な岐路における重要な決定をめぐる課題について、識者討論なども交えて考えいく。