吉本隆明さん死去

吉本隆明(よしもと・たかあき)さんが本日未明に亡くなった。87歳。

午前2時13分だから、今朝の埼玉地震が起こる2時間ほど前か。

訃報を聞いたとき、大学時代、吉本さんの「言語にとって美とは何か」や「共同幻想論」を小脇に抱えて哲学青年を気取っていた頃を思い出した。

内容はまったく理解できていなかったが(+_+;)\パコッ!

ファッションとして吉本隆明を読むことが流行っていた時代だった。(吉本ファンの間では、隆明は「たかあき」ではなく「りゅうめい」と呼んでいた。)


吉本さんについては、以前、「環境保護派の主張は欺瞞的だ」という発言は本質を突いているかもしれないと思ったことがあった。いわゆるエコロジー運動の裏にある欺瞞性を指摘しているのだろう。

また、311後の原発についての、「原発の研究開発はやめるべきではない」といった発言も気になっていた。これは、反原発運動の裏にある欺瞞性を指摘しているのかもしれない。

そうであるならば、副島隆彦さんの思想とも相通じる感じがする。


ところで、吉本隆明さんは、東京工業大学の化学専攻だったことは意外と知られていない。バリバリの理系人間だったのです。(文系/理系という分類は実はおかしいのですが)

1945年東京工業大学に進学。在学中に数学者遠山啓と出会っている。敗戦直後、遠山啓教授が自主講座を開講。「量子論の数学的基礎」を聴講し、決定的な衝撃を受けたという。今までに出会った特筆すべき「優れた教育者」として、私塾の今氏乙治と遠山啓の二人をあげている。1947年9月に東京工業大学電気化学科卒業。・・・・・・・大学卒業後2、3の町工場へ勤めたが、労働組合運動で職場を追われ、1949年、東京工業大学大学院特別研究生の試験に合格し、給与を受けながら東京工業大学無機化学教室にもどり稲村耕雄助教授に就く。 1951年、特別研究生前期を終了後、当時インク会社として最大手の、東洋インキ製造株式会社青砥工場に就職した。
Wikipediaより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E6%9C%AC%E9%9A%86%E6%98%8E


3年前にやはり87歳で他界した父も同じ東工大の化学系出身なので、年齢からすると吉本さんは2〜3年後輩にあたることになる。大岡山のキャンパスで顔を合わせていたかもしれない。あるいは飲み友達だったかもしれない。生前に聞いておけばよかった。

30年前の松岡正剛さん編集の雑誌「遊」(1982年)を書庫から引っ張り出して久しぶりに読む。松岡さんと吉本さんのツーショットがなつかしい。

お二人とも若いですね。



ご冥福をお祈りいたします。