がんが消えた(寺山心一翁)

寺山心一翁(しんいちろう)さんの「がんが消えた(ある自然治療の記録)」を読む。

My Cancer Disappeared.

ちょっと感動的な本だった。

この本に出会うことができてよかった。

癌という病気が治っていくプロセスも感動的ですが、ひとりの人間の「魂の変容の物語」としてもすぐれたドキュメンタリーだ。

読みながらときどき熱いものがこみあげてくるのを抑えることは、困難だった。だからこの本は電車の中では読まない方がいいかもしれない。

寺山さんは1936年生まれだから、現在76歳か。早稲田大学理工学部出身。大学卒業後、東芝半導体の研究開発をしていたエンジニアであり科学者だった。

その後独立してコンピューター・システムのコンサルタント会社を設立するも、激務と不摂生で48歳(1984年)のときに右腎臓癌を発症。

そして、おきまりの手術、抗ガン剤、放射線治療という現代医学による癌治療。しかし、体力、気力ともに憔悴し、入院で25キロ痩せたばかりでなく、癌は肺に転移し末期と診断される。

(抗ガン剤は増ガン剤。この現代医療の三大治療によって、いまだに毎年25万人以上の人びとが殺されている。)


病院で多くのガン患者が死んでいく様子を見ながら、自身もガリガリに痩せた体で、末期(まつご)の日々を家で迎えるために退院。

死を自宅で迎えるための退院だった。

愛妻と子供たちとともに過ごす苦しい生活が始まる。

しかし、毎朝夜明け前に起き出して、ご自宅のあるマンションの屋上に上がって日の出の太陽に祈る日々のなかで、心と体が徐々に変化していく・・・。

この静かで劇的な変化・変容のプロセスがこの本の前半のクライマックス。感動的な部分。


ポイントは、

寺山さんは、あるときを境に、自分の体の中にできたガンは自分がつくりだした子供のようなものであることを悟り、その体の中の自分の子供たちに愛と感謝の念を送り続けた。


無条件の愛、これが寺山心一翁さんのキーワード。


普通の人にはちょっと理解することができないことかもしれない。今の自分も到底理解できない。でも、「自然治癒の秘密」はここにあるのかも。


その後に次々に起こる「事件」もとても興味深いプロセス。

ネタバレになるので、この辺で。

あとは本を読んでください。


ところで、英国スコットランドのフィンドホーンは、ちょっと行ってみたい気もするなぁ・・・。

がんが消えた―ある自然治癒の記録

がんが消えた―ある自然治癒の記録

【参照】
●寺山心一翁さんのサイト
http://www.shin-terayama.jp/