武田邦彦研究(閾値派からLNT教への変貌)

これは朗報です。

武田邦彦先生は半年ほど前までは、なんと!−「閾値派」−だったのですね。あの武田先生が「安全です」と言っていたのですから、もう安心です。現在の放射線レベルであればまったく問題ありません。

ところで、どうして先生はご自分の説を劇的変えられたのかのでしょうか。

通常だったら、LNT派→閾値派に変わるのが普通でしょう。つまり、服部禎男先生のように、LNT仮説のおかしさや非科学性に後から気がついて閾値派に変わるのがまともな学者だと思うのですが、先生の場合はこれと逆ですから理解に苦しみます。

半年前に何があったのでしょうか?

なお、「人力でGO」さんが最近の武田先生の自己矛盾について簡潔に総括しています。
http://green.ap.teacup.com/pekepon/

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武田氏は、リサイクルや温暖化に対して、「法律が間違っている」と主張してきた張本人です。
ところが、放射線健康被害に関しては、「法律に疑念をはさむ者が間違っている」という立場を主張します。これは大いなる自己矛盾です。

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以下、半年前までの武田先生の見解を引用。


武田邦彦氏の過去の発言を検証してみる」(BLOGOS)より
http://news.livedoor.com/article/detail/5493439/?p=2

■平成21年5月の発言
放射線の害を一言で言えば,「放射線で障害を受けることは,少ない。
なかなか障害を受けることはできない」と言える。

そして,その理由を一言で言えば,「太陽が原子炉だから.宇宙は原子力ばかりだから」というのが正しいだろう。

さらに,注意することといえば,「普通の生活をする事」と言うことに尽きる。

日本の原子炉はまだ自身で倒壊する可能性があるのでやや危ないが,
そのほかで放射線の被害を受けることはまずない。

どうしてこんなに放射線が安全かというと,もともとは危険なので,
防御機構が発達するからであり,なぜ防御機構が発達しているかというと太陽が原子炉で,そこから有害な放射線が降ってきた時代に,生物は頑丈な防御を作ったからである。

原始的な生物の一つ,大腸菌ですら放射線に対して5段階の防御を持っていて、容易にはやられない。
まして高等動物中の高等動物である人間は,ものすごく精密な防御システムを持っている.

だから,容易なことでは放射線で障害を受けない.むしろ,あまりに複雑なので,長く使わないとリストラされる。むしろ,免疫と同じだから,少しは放射線を浴びておいた方が「異物を取り除く体の中の自衛隊」を育てておくことができる。

放射線と人体の関係を研究している人の多くが「放射線を少し浴びた方が発癌性が低い」と考えている。

でも,決して口に出さない。口に出すと袋だたきにあうからだが,民主主義だから専門家はおそれずに「本当の事」を言うべきだ。

平成23年3月13日の発言
原子力発電所から漏れている放射性は協会でだいたい1ミリシーベルトから0.1ミリぐらいとされています。

放射線としてはわずかな量なので、このくらいの変化が生じても別段、問題はありません。

記者会見では変化が問題になっていますが、それは放射線と健康の関係を知らないからです。

人間が放射線によって障害を受ける最低の放射線は200ミリシーベルト付近ですから。

現在の200倍ぐらいに相当しますので、人間に直接的に影響が及ぶということはありません。

さらに放射線で死ぬということを考えますと、1シーベルとぐらいですから、その点ではまだ1000倍程度の余裕があります。

ちなみに、4シーベルトぐらいになると半分ぐらいの人が放射線で死にます。

現在の状態では、原子力発電所の横に1時間ぐらいいても大丈夫でしょう。


■平成19年4月の発言(ダイオキシンについて)
その後、ヒトでは13万人の15−50年にわたるダイオキシン高濃度曝露群(一般人の10倍から10,000倍)の追跡調査が行なわれ、急性毒性、慢性毒性、発ガン性、生殖毒性、神経発達毒性について詳細なデータが出てきた。

2002年時点で、これらのデータを全体を見渡すと、モルモットの急性毒性では青酸塩の6万倍の毒性を示すが、ヒトでは高濃度長期間曝露者で塩素座そう以外の急性毒性は認められていない。

また発ガン性に関するヒト疫学では100−1000倍の曝露20年以上で一日煙草1本程度(リスク1.4倍)が見られる。

一日煙草一本という毒性は「毒性がない」と表現しても間違いではないほどの弱い毒性である。

それと社会が認識した毒性の間にこれほどの大きな差があるのは何故だろう。

第一に、データが不確かなのにそれを確定的なもののように解説する学者やマスコミ、第二にデータをよく確かめずに意見を述べる技術者や医師、そして第三にダイオキシンの毒性について確かめずに装置や分析にはお金になると判断する技術者や企業、の存在である。

そこに関係している技術者一人一人には言い訳が用意されているが、
全体としては「ダイオキシンは猛毒で、高いお金を払っても排出を阻止しなければならない」という魔女狩り状態になったのである。

<引用終わり>