天涯の船(玉岡かおる)

山梨県の某研究所まで日帰り出張。たいへん画期的なバイオセンサーに関する発明の打ち合わせにいく。研究所に到着すると晴天の空に少し雪化粧した富士がくっきり見える。


帰りの電車で下巻を読了。しばらく感動のためジーンと放心する。

この一作で玉岡かおるさんのファンになったしまった。この大作を読み進める間のハラハラドキドキする幸せな日々。新潮文庫の上下巻併せて約950ページの長編だけれどあっという間。

明治の激動期を生きた或る女性の純愛が中心テーマ。

薄幸の少女ミサオは姫君の身代わりに仕立てられて留学船に乗せられて米国に向かう。この船の中で出会うカワウソ顔の薩摩男が純愛の相手。この男は後に神戸に川崎造船所(現川崎重工業)を立ち上げる実業家になる。松方幸次郎がモデル。美術品を収集して松方コレクションをつくった人物。波瀾万丈のプロセスを経てミサオはオーストリアの子爵家に嫁いでいく。そして、・・・・・・

天涯の船〈上〉 (新潮文庫)

天涯の船〈上〉 (新潮文庫)