畑村洋太郎の失敗学

 早朝4時過ぎに目が覚め、第1放送のラジオ深夜便「こころの時代」を聞く。
 今日の畑村洋太郎さん(68歳)は、「失敗学」という学問を立ち上げた学者。
 この方の語りを聞いていると、好奇心のエネルギーに満ちあふれている。

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(以下Wikiの解説)
 失敗学(しっぱいがく)とは、起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、(物理的・個人的な)直接原因と(背景的・組織的な)根幹原因を究明する学問のこと。 その上で、その失敗に学び、同じ愚を繰り返さないようにするにはどうすればいいかを考える。さらにこうして得られた知識を社会に広め、他でも似たような失敗を起こさないように考える活動。すなわち、以下3点が失敗学の核となる。
 安全工学などとも関係するが、工学・経営学などを網羅的に含んだ概念(学問)である。
 原因究明 (CA:Cause Analysis)
 失敗防止 (FP:Failure Prevention)
 知識配布 (KD:Knowledge Distribution)
 提唱者は『失敗学のすすめ』(2005年4月、講談社)の著者・畑村洋太郎。失敗学の命名立花隆。畑村を会長に特定非営利活動法人・失敗学会が2002年に設立された。
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 失敗の事例(失敗データベース)については、失敗学のサイトから無料で入手できる。
 畑村さんは最近、危険学プロジェクトのひとつとして「子供のための危険学」の研究に力をいれているらしい。絵本を作って幼稚園でも講演活動をし、子どもたちを危険からまもるための種々の技術を文化にまで高める活動に力を入れている。
 子供の死亡原因は、意外にも、病気ではなく事故が圧倒的に多いとのこと。
 そしてお年寄りの死亡事故や怪我の原因も家屋内事故(風呂場等での転倒、階段からの落下など)が多い。
 これらの不慮の事故を子どもたちやお年寄りからまもるための様々な技術、知識を「文化」にしていくこと、ぼくの言葉では「技術文化」として定着させること、これが畑村さんのライフワーク。
 実にいい話を聞いた。ぼくも失敗学や危険学について研究してみたい。