チンパンジーが槍を作って狩りをした!?

 今朝の新聞によれば、米科学誌カレント・バイオロジーの論文に発表されたらしい。西アフリカのセネガルに生息するチンパンジーが、木の枝から側枝を落として約60センチの長さにし、片端を噛んで鋭くして、これを槍(やり)のように使用して小型のサル(ガラゴ)の狩りに成功したという報告。人間以外の動物による武器製作が確認されたはじめてのケースとのこと。新聞記事では、スタンフォード大学の教授が、「食料を得る目的で道具を作るとは驚き。人間以外では初めてといってよいだろう。」とコメントしている。
 ほんとかなー。計画的に武器(道具)を製造し、これを意図的に狩りに使用したとは思えない。チンパンジーが使用したその槍を、使用後に保存し、次の狩りに使ったか否か、あるいはもっと本質的には、その道具を作るときにチンパンジーは<よろこび>を感じていたか、が問題である。槍に対するフェティシズムや物作りの悦びを感じていたのか。おそらくそうではあるまい。(チンパンジーにきいてみないと何ともいえないが。)
 今回報告された事例は、これまでに報告されていた木の枝を加工して「シロアリ釣り」に使った事例の域をでるものではないのではないだろうか。