パラドックスによる新たな創発とその副作用

 昨日のパラドックスの話のつづき。
 生存上はきわめて不利な形質変異が逆にまったく新たな創発をもたらしたということである。ただし、このような不利な変異にともなう原生人類がこうむった副作用については我慢しなければならないはめになった。
 たとえば、裸化による脂肪の蓄積に起因する脳の異常発達。これらはいずれも原生人類への進化プロセスにおいて決定的だった。とくに前頭葉肥大(A10神経の無髄化)によってヒトの創造性は異常に発達し、これによって文化のビッグバンが生じた。たが、一方で創造性の副作用として分裂病統合失調症が生じたのではないか。また、咽喉拡大によって分節言語がもたらされたが、一方で毎年お正月の餅を喉に詰まらせて多くの方が亡くなるのも、もはやどうすることもできない副作用である。