道具性の起源

 道具性の起源について。石器の汎用化への転換のときが道具性の起源であるというのが私の仮説である。これは個体発生からいえば、ヴィゴツキーの外言から内言への変化に対応する。このような内言の発生や道具の汎用化は、快感進化論ではどのように説明できるだろうか。伊勢によれば、暗黙知によって獲得される技能がミームであり、この技能ミームは道具を媒介として自己複製する。つまり、道具はミームの乗り物(媒介物)。生物の体がDNAの乗り物であるように、暗黙知によって獲得される技能(ミーム)は、人工物を介して自己増殖していくということか。そして、重要なことは、このとき脳内に快感物質が自前で生成されるということ。たとえば、自転車を例にとってみよう。